00年シドニーオリンピック(五輪)柔道男子100キロ級金メダルで、男子日本代表の井上康生監督(41)が全国中学校体育大会の中止を受け、中学生へメッセージを送った。
29日、自身のインスタグラムなどのSNSを更新。「中学生のみなさんへ」と題し、「日々努力をされていた皆さんにとって、とてもつらい、残念な決定だと思います。でも、柔道によって成長させてもらった私が思うのは、挫折や悔しい経験は、間違いなく自分を伸ばす原動力になるということです。何ができるかを考え、工夫し、そして実践していく力につながると思うからです」と激励した。
井上氏は、中学1年時は稽古中に骨折して予選を棄権。2年時は全国8強で、3年時に78キロ超級で全国制覇した。「1年生で骨折した時は腕を鍛えるトレーニングや片足でのスクワットなどできる範囲での努力をしました。一流選手のビデオや近代柔道をすり切れるほど見て研究しました。それがどのような効果を生み出したかは分かりません。でも、創意工夫する面白さを知り、勝ちたい、強くなりたいという思いがより一層強くなったと思っています」。
自身のこれまでの経験談を踏まえて、「生きていく中で誰しも『成功(=自分の目標を実現すること)』もあれば、『失敗や挫折』もあります。でも、『挫折や失敗を生かして成功へ変えること』も少なからずあると思います。今日という日は帰ってきません。強い志しと希望をもって、前を向いて生きていきましょう。我慢の日々が続きますが、みんなで協力し合い、頑張って乗り越えていきましょう」と呼び掛けた。
27日にも全国高校総合体育大会の中止を受け、SNSで高校へエールを送っていた。
(2020年4月30日、ニッカンスポーツ・コム掲載)