<医療ライター・しんどうとも「メンタル回復法」(27)>

さまざまなストレスによってひずんだ心と体を取り戻す方法。

「パンデミックブルーから心と体と暮らしを守る50の方法」(亜紀書房)の著者で、杏林大学名誉教授・精神科医の古賀良彦さんがこう指摘する。

「もとの円滑な状態にバランスをとるのがrecreationの役割。ひずんで悪くなった心と体のバランスを取り戻すためにはリクリエイト(つくり直す)しなければいけないだろうというところでしょうか」

そのためにはある程度の“努力”が必要だ。

「とはいえ、自分で楽しむ努力をするということです。職場でも家でも、ストレスを飛ばすにはただ休んでいればいい、ゆるめるだけでは飛んでいかない。むしろ積極的に、上手にストレスを離れていくことをしようというのが目的です」

具体的には「いくつかの楽しみを持つ」ということだ。

「条件としては、あんまりお金がかからないこと。毎日できること。用意や片付けが簡単で途中でやめることができる、短くて済むというようなことがいいですね。患者さんの中には“楽しみなんかありません”と嘆く方がいますが、誰でも若い頃にやったことがひとつやふたつはあるはずですよ」

ひとり暮らしでコンビニ食ばかりであっても、何か一品、料理をして楽しんでみるとかでもかまわない。

「楽器を演奏する、アロマや編み物を楽しむ、塗り絵、折り紙みたいなものも。逆に酒を飲むなどの依存しかねないものは控えたほうがよいでしょう」

(2020年11月26日、ニッカンスポーツ・コム掲載)