睡眠の質を高めるために、自分に合う寝具を使ったり、寝室の環境を整える、という人は多いと思います。寒い冬場であれば、冷たい布団を温めたり…。しかし、睡眠の質向上には「寝室」だけでなく「居間」の環境にも気を配る必要があるようです。
東京ガス都市生活研究所が調査した結果、睡眠の質を高めるために、大多数の人は「寝室」以外にはあまり気をつかっていないことがわかりました。調査は全国に住む18~80歳の392人を対象に、昨年11月11日から1週間にわたってWEBアンケート方式で実施されました。
「冬に睡眠の質を高めるために環境を整えている部屋は?」と尋ねたところ、最も多く寄せられた回答が「寝室」(82%)でした。次いで「居間」が21%となり、「脱衣所」「廊下」は5%に満たない結果となりました。
「良い睡眠のために気をつけていることは?」という質問に対しては、「暖かい布団を使う」「湯たんぽを使う」「足を冷やさないようにする」「お風呂に入る」といった回答が多く寄せられました。睡眠の質向上のために身体を温める人が多いことがうかがえます。
しかし、国土交通省が約4000人に対して実施したスマートウェルネス住宅等推進調査によると、寝つきが良い人ほど就寝前に過ごす「居間」の温度が高く、悪い人ほど低いという結果に。「寝室」だけでなく「居間」の環境も整えることが、良質な睡眠を確保するために必要なのかもしれませんね。
なお、2014年に厚労省から出された睡眠指針では、寝室の温度を13~29℃にするように推奨されています。また、英国保健省が循環器系疾患、呼吸器系疾患等の健康障害への対策として定めた指針によれば、居室温度は18℃以上にすることが推奨されています。日本は欧米に比べ、住宅の断熱性能が低いので、壁や床が冷たい場合には、もっと高めにする必要がありそうです。