前回は「栄養の6ポジション」を理解して、揃えてみようというお話をしました。主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品の6品を意識して食べるようにしましたか? やるかやらないかの違いは後々、大きな差となって表れます。毎日の積み重ねが大切になってきます。
今回は、食事の回数についてお話しします。
厚生労働省では健康の概念から、バランスのよい食事を1日3食摂ることを推奨しています。アスリートは「健康の上に、競技者としての体作り」があるので、まずは「6ポジション」を揃えた食事を朝・昼・夕の3食とも摂る努力をしましょう。
1日3食では足りない時も
しかし、それだけではジュニアアスリートには課題が残ります。3回の食事だけでは、満足のいくエネルギー量が摂れないことが多いのです。
スポーツをしていなくても、小学校中学年以上の成長期になると、デスクワークをしている大人よりもエネルギー必要量が高くなります。練習量が多いジュニアアスリートは、ご家族が考えている以上に、エネルギー摂取量、食事量ともに多く必要とするのです。
ただ、米などの炭水化物だけ、肉などのタンパク質だけを食べて、エネルギー摂取量を増やせばいいというものではありません。それを代謝、吸収させる栄養素や、体を作るための栄養素もバランスを考えて増やさなければなりません。
1回にたくさん食べられない
しかも、ジュニアアスリートは内臓も成長途中。1回に食べられる量は大人よりも少ないのです。
小学校入学前、お子さんの胃の容量は大人の半分程度と言われています。胃の容量は身長・体重と同じように少しずつ成長し、成長期が終わる頃にようやく大人と同じ程度になります。
そんなジュニアアスリートが1回の食事で無理にドカ食いすると、吐き気をもよおしたり、食事自体が嫌いになったりしてしまいます。実際に、練習中に嘔吐してしまい、練習前に怖くて水分しか摂れなくなった選手もいるほどです。