夏休みなどの長期休みを利用して、合宿が続く選手も多いでしょう。合宿に行くと、練習量が増える影響で食欲がなくなり、コンディションを落とすケースも見受けられます。合宿は夏以降の競技力に直結します。夏にコンディションを落とさないことが、勝利への近道です。

今回は夏本番を迎える前に理解しておきたい「合宿時の食事対策」について紹介します。

合宿に行く前

合宿中は、通常より練習量や練習頻度が多くなります。それに合わせて食事量を効率よく増やせればいいのですが、通常と違うビュッフェ形式などの食事形態だったり、暑さや疲労で食欲が低下したりして十分に補給できないこともあるでしょう。

また、しっかり食事がとれたとしても練習量による消費エネルギーが上回り、体重が減ってしまうケースもあるようです。そのため、前年度の状況を加味し、十分にエネルギーと休息をとり、体重もベスト体重よりも多い状態で合宿に臨むといいでしょう。

合宿中

通常時の食事とは違い、合宿先では郷土料理など目新しい食事もあると思います。よい機会なのでぜひ積極的に食べるようにしてみてくださいね。

ビュッフェ式の場合は、自分のコンディションに合わせて食事を選択することが大切です。例えば、疲労度が高い時には、脂質を抑えた消化にやさしい料理をとるといった具合です。

定食形式の場合は、練習量が多いときは普段より主食を増やしたり、タンパク質源である主菜を増やしたりして量を調整しましょう。ただし、おかずの量が多いと知らないうちに脂肪をとりすぎていることもあります。練習後であれば、リカバリーに最適なのか、練習前であれば、これから使われやすいエネルギー補給になっているかを考えて、自分に合った内容と量に調整しましょう。

朝練前には何も提供されないことが多いので、朝練の分のエネルギー補給は自分で管理することが大切です。朝練前の補食提供の状況を確認した上で、ゼリー飲料や果汁、カステラやエネルギーバーなどを持参して、練習中のエネルギー切れを予防しましょう。

合宿後

合宿中は、脱水やエネルギー不足、貧血などが助長されやすくなります。これらの状態が長期間続いていると考えて、リカバリーの観点から不足している栄養素を積極的にとりましょう。

合宿先の食事が充実していたとしても、エネルギー消費量や発汗、練習量が増えています。体重が減っているときはなおさら、エネルギーとともに、栄養素を十分に補う必要があります。休息や体のメンテナンスも合わせて取り入れ、体を回復させていきましょう。

今回紹介するのは、夏の補食にぴったりな「抹茶わらび餅」です。わらび餅は糖質が多く、冷たく滑らかな口当たりなので、食欲がない時や練習前後のエネルギー補給に適しています。お好みで、砂糖や黒蜜、あんこなどの甘味をプラスしてエネルギー切れを予防していきましょう。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子