アスリートは運動量が多い分、身体に必要な栄養素も多いのですが、運動をすることで食欲や消化力が落ちることもあるため、野菜との付き合い方を工夫しなければなりません。今回はアスリートの野菜の摂り方について紹介します。

「1日350g」よりも多めが目安

厚生労働省が掲げる「健康21」によると、アスリートも一般の方も、1日における野菜摂取目標量は350gとなっています。1日3食なら、毎食100g以上の野菜を食べる計算です。

運動量に合わせて食事全体の量が多くなるアスリートは、野菜の量も1日350gにこだわらず、もっと増やすと献立上、栄養素バランスが整いやすくなります。野菜の量を意識しながら体調がどう変化したか、確認しながら進めていきましょう。

野菜ファーストよりエネルギー摂取

ご飯などの主食やタンパク質の多い肉や魚などの主菜と比較すると、野菜は低エネルギーです。成長期や、運動量が多くエネルギー不足の疑いがある小食のアスリートが、野菜ばかり食べておなかがいっぱいになってしまっては逆効果です。その場合、野菜よりも主食や主菜を先に食べ、エネルギー補給を優先しましょう。

とはいえ、野菜を全くとらなくて良いわけではありません。生野菜よりも、加熱して野菜のかさを減らしたり、細かく刻んで消化しやすい形状にしたり、主食に野菜を入れ込むなどして一緒に食べるようにしましょう。

どんな野菜をとるといいのか

色々な種類の野菜をとれるのが一番良いですが、選ぶとしたら自分に必要な栄養素を多く含むものです。例えば、成長期で骨の成長が気になるのであれば、カルシウムが豊富な小松菜を取り入れましょう。

また緑黄色野菜の多くには、抗酸化作用があり、コンディションを整えるファイトケミカルなどの多くの栄養成分も入っています。自分の体調を見て、今はどの野菜をどのような方法でとることがよいのか、考えるクセをつけましょう。

野菜が不足する時の対策

どうしても野菜が不足する場合は、野菜に多く含まれる栄養素を他の食品で補いましょう。ビタミンCや食物繊維を補うには、果物で代用できます。野菜ジュースは加工している分、野菜と栄養素は異なりますが、不足している栄養素が添加されて野菜に近い栄養価になっているものもあるので、体調や状況に合わせて上手に取り入れましょう。

今回紹介するのは「夏野菜スープ」です。このレシピでは、タマネギ、ズッキーニ、シメジ、ミニトマトを使っていますが、お好みの野菜を組み合わせてもらって構いません。材料を細かく切って軽く煮て、味を調えるだけ。作り置きにも適していますし、調理自体は簡単で失敗にくいレシピです。是非、今の時期に自炊にも挑戦してみましょう。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子