月経が3カ月以上来ていない女子選手には、婦人科の受診をすすめています。中には、数年単位で月経が止まっていたり、初経から月経不順が続いていたりしながら、練習のスケジュールを考慮するばかりに、受診するタイミングを逸してしまっているケースもあるのかもしれません。

10代の女子選手の月経が順調であるということは健全な発育発達の目安となり、大人の体に成長するためには欠かせないものです。生殖機能だけでなく、骨の成長にも大きな影響があります。

骨密度の強化に女性ホルモンが影響

女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンの恩恵を受けて、骨密度が上がる仕組みになっています。エストロゲンは月経から排卵の間(卵胞期)に分泌量が増加するので、初経が遅かったり、月経不順や生理が止まってしまう無月経の期間が長かったりすると、エストロゲンの分泌量が少ないため、骨が強くなりません。

骨密度は10代後半、20歳前後で生涯のピークを迎えます。この時期以降は骨密度を上げようにも難しくなってしまうため、10代の月経状況によっては骨密度が低い状態が生涯続いてしまうことになります。

もちろん、月経状況は個人差があるものですが、その不調に応じて対処法を探していくこともできます。不安な場合は婦人科を受診し、家族や指導者と練習環境を調整しながら、コンディション管理をしていきましょう。

月経不順3パターンの対処法

月経不順がある場合、次の対処法があります。参考にしてください。

月経不順が数カ月続いている場合

なぜ月経不順が起こっているのか、その理由を確認するためにも、一度婦人科の受診をしてみましょう。継続して通える最寄りの婦人科や、スポーツドクターのいる婦人科がおすすめです。この機会に血液検査を受けたり、骨密度を計測すると、現在の骨の状態も確認できるでしょう。

ストレスなど思い当たる原因がないか振り返ってみよう

ストレスなど心身の疲労で、一時的に月経が止まったり遅れたりするケースもあります。試合が続いていたり、練習がハードだったり、ストレスや疲労などの関わりがないか考えてみましょう。思い当たる場合は練習量を抑え、ストレス発散の方法など対策を取りましょう。

エネルギー不足が根底にあるかも

私が過去に見てきた例からすると、食事と運動の状況のアンバランス、根底にエネルギー不足が多くありました。例えば、本来なら強度の高い練習をした日や練習時間が長い週末などは、ご飯の量を増やしたり、補食を増やしたりすることが必要ですが、なかなかそうはいかず、その積み重ねで低栄養状態になり、月経不順を引き起こしていることがあります。

一見、競技のパフォーマンスは変わらないように見えるのですが、実は体調が優れなかったり、月経異常につながったりすることがあります。まずは運動量が多いときは、エネルギーを多くとることを意識していきましょう。

今回紹介するのは「ジャガイモのタラコバター」です。ご飯をたくさん食べられないときは、イモ類でもエネルギー補給ができますよ。炭水化物の十分な補給は、エネルギー不足の改善にも直結します。

バターでエネルギーをプラスできますし、タラコの塩気で食も進みます。お弁当のおかずとしてもおすすめです。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子