女子アスリートの中には、見た目や競技特性を考慮して体重や体脂肪率を設定し、減量に励む選手も多いと思います。しかし、「減量をすること」が目的となり、パフォーマンスが低下するだけではなく、健康状態まで悪くなるケースも後を絶たちません。

成長期の「体重が増えた」は、「体脂肪が増えた」ことだけが理由ではありません。筋肉や骨が大きくなる時期でもあり、体重とともに身長が伸び、内臓や筋肉量も増えます。成長すれば体重も増えるわけです。成長期の減量は、ベスト体重や体脂肪率を決めずに、運動に見合った食事量をしっかり確保した上で、対策をとることが必要です。

目標体重は「コンディション」から設定

では、目標体重はどのように設定したらいいのでしょうか。数値から割り出すのではなく、現在の身体でコンディションが良いとき、充実した練習ができているときの体重をベースに考えましょう。

よく過去にベストタイムを出したときの体重を参考にする選手もいますが、過去の自分と今は違います。例えば、大学生なのに中学時代の体重を参考にするのは時間がたちすぎていますし、成長度合いや体格、競技のカテゴリも違うので避けましょう。体重(数値)ではなく、コンディションを重視して慎重に考えていくことが大切です。

また、設定した目標体重まで減量できたとしても、それが自分にとってのベスト体重ではないケースも多くみられます。それを見極める不調のサインは次の通りです。

設定体重や体脂肪が自分に合っていないときに考えられる不調
・パフォーマンスが上がらない
・成長期なのに身長の伸びが止まる
・寝つきが悪い、途中覚醒がある、日中眠い
・練習中にバテる、ついていけない
・イライラしたり悲しくなったりメンタルの不調がある
・月経の変化(月経不順や無月経やPMSなど)
・貧血が治らない

このような状況が長期間続くと、骨量(骨密度)を十分に獲得できない、競技力が上がらないなどのデメリットが生じます。体重管理に関して不安がある場合は、公認スポーツ栄養士やスポーツドクターに相談してみましょう。

今回紹介するのは「サツマイモのハニーバター」です。ご飯やパンなどの主食からだけではなく、糖質の多いイモ類や野菜からもエネルギー補給しましょう。お弁当おかずや補食にしても良いですし、ちょっと甘いものが食べたいときの満足感も味わえます。お試しくださいね。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子