「野菜は1日350g食べましょう」と野菜摂取量の目標値があるのをご存知でしょうか? 野菜は健康に良いと感じていても、かなり意識して毎食摂っていかないと目標値をクリアすることはできません。国民健康・栄養調査のどの年代別、性別で見てもクリアしていないという現状があります。

 野菜は低脂肪、低エネルギーで、各種ビタミン・ミネラル類、食物繊維、水分を多く含んでいます。これらは、カラダの代謝を促進し、カラダの調子を整える働きがあります。

 アスリートがカラダ作りのためにタンパク質、エネルギー補給のために炭水化物を摂っても、それらは材料となる栄養素です。ビタミンやミネラルも摂り、バランスの良い食事に整えていくことにより効率的に代謝させ、カラダ作りやコンディショニングにつなげていきましょう。また、減量する際も、野菜を食べた満腹感で無理なく正しく減量することができます。

 野菜の上手な摂り方を説明しましょう。

サラダで野菜を摂ろうとしてもカサがあり、たくさん食べたつもりでも、重量はさほどないこともあります。野菜はサラダや酢の物などの生食だけではなく、加熱してカサを減らすことで摂取量を確保します。鍋ものや野菜のスープ、具だくさんの味噌汁なども良いでしょう。

副菜(野菜、キノコ、海藻などの材料をメインにして作ったおかず)を何品も作るのが大変な時は、主菜(肉、魚、卵、大豆製品をメインの材料にして作ったおかず)に野菜をたっぷり使ったり、炊き込み御飯やパスタなどのメニューも野菜を多く使っていくことで、目標量をクリアしていけるようになります。

食欲のない時や外食などでしっかり摂れない時は、緑黄色野菜を選ぶようにします。野菜摂取目標量の約1/3(120g)は、栄養価の高い緑黄色野菜で摂りたいので、優先順位は緑黄色野菜からということになります。

旬の野菜ははずれ期のものと比較すると、栄養価が高い、美味しい、値段が安いと良いことばかりです。旬の野菜を積極的に選び、また使用する種類を増やすことにより、多くの種類のビタミンやミネラルを摂れることにつながります。

豚肉と彩り野菜のブレゼ
豚肉と彩り野菜のブレゼ

 写真は「豚肉と彩り野菜のブレゼ」です。ブレゼとは少ない水分で鍋に蓋をして蒸し煮にすることですが、野菜のカサが減り、たくさん食べられますし、食材の旨味が抜けないことも特徴の一つです。

 また、調理用の油を使用しないので、余分な脂質を摂らずにすみます。簡単で、さまざま材料に応用できますので色々試してみてください。