夏休みも後半に入り、合宿や試合でのアクシデントで骨折などのケガをしてしまった選手もいるかと思います。「トレーニング・食事・睡眠」の3本柱でケガをしにくいカラダ作りをしておくことは言うまでもありませんが、さまざまな要因からケガを完全に予防することが難しいこともあります。
実際に骨折をしてしまった場合、医療機関を受診し、適切な処置を施すことが最優先ですが、カラダを再生するための材料となる食事も大切なポイントになります。
骨は無機質(ミネラル)と有機質からできており、カルシウムからだけではありません。無機質の大部分はリン酸カルシウムで、有機質の大部分はタンパク質でできています。繊維状のタンパク質(コラーゲン)が骨の骨格となり、その繊維の間にカルシウムやリンなどの無機質(ミネラル)を吸着させて骨が作られています。健康な骨は、ただ硬いだけではなく弾力性があり、衝撃が加わっても骨折しにくいのです。
骨折してしまった場合は、少しでも早く骨が修復されるよう健康な骨作りのための食事をしましょう。「バランスの良い食事の基本の形」を整えつつ、タンパク質、ビタミンC、ビタミンK、カルシウム、マグネシウム、ビタミンDがしっかり摂れるよう意識した献立にします。
タンパク質、ビタミンC、K
タンパク質(コラーゲン)は前述のように、骨の骨格となるもので、コラーゲンを合成する時にビタミンCを必要とし、ビタミンKは骨の形成を促進する働きがあります。
ビタミンCはキウイフルーツ、柿、イチゴ、柑橘類などの果物や、パプリカ、ゴーヤ、モロヘイヤ、ブロッコリーなどの野菜、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類などに、ビタミンKは納豆、モロヘイヤ、カブや大根の葉、小松菜などに多く含まれています。
カルシウム、マグネシウム、ビタミンD
骨の骨格にカルシウム、マグネシウムなどの無機質(ミネラル)を吸着させ、密度の高い骨作りを目指しますが、カルシウムとマグネシウムの割合は2:1が理想のバランスです。またビタミンDは骨の骨格に無機質(ミネラル)を吸着させる働きとカルシウムの吸収率を高める働きもあります。
カルシウムは牛乳やヨーグルトなどの乳製品、干しエビやシラス干しなどの小魚、豆腐や納豆などの大豆加工品、小松菜やモロヘイヤなどの葉物野菜などに多く含まれています。マグネシウムはシラス干し、油揚げ、アサリ、納豆、干しエビ、キクラゲ(乾)、ゴマ、アーモンド、バナナなどに、ビタミンDは、シラス干し、イワシ、サケ、イクラなどの魚介類、キクラゲ(乾)や干しシイタケに多く含まれています。
写真は「納豆とモロヘイヤの冷製パスタ」です。タンパク質、ビタミンC、ビタミンK、カルシウム、マグネシウム、ビタミンDと、健康な骨作りに必要な栄養素全てを意識したメニューになっています。パスタと合わせることにより、炭水化物によるエネルギー補給もできます。ビタミンCを多く含む野菜(副菜)や果物を合わせた献立にすると、さらにバランスが良くなるでしょう。