先日のオンラインセミナーで、参加者の方に「献立を考える時に、主食・主菜・副菜の中で何から決めていますか」と聞いたところ、ほとんどの方が「主菜から」と回答していました。次に主食で、副菜は1人だけという結果でした。私も、「昨日は肉料理だったから今日は魚料理にしよう」「今日は豆腐を使った主菜にしよう」などと、主菜の材料から入っていくことが多いですね。

結局、その日の献立を「基本の食事の形」に整えれば良いので、何から決めるのが良いということではありませんが、副菜は後回しになりがちだということが言えそうです。

副菜の材料となるのは野菜、キノコ類、海藻類。野菜は1日350g、そのうちの約1/3の120gを緑黄色野菜で摂るよう推奨されていますが、色々な選手の食事記録を見ると、野菜の種類や摂取量が少なく感じます。

たくさんの量の野菜を食べる工夫

野菜に多く含まれているビタミンCは加熱に弱いビタミンなので、サラダや野菜スティックなど生食で食べた方が良い場合もありますが、そうすると食べられる量が限られるものです。たくさんの量を食べるには、野菜炒めやお浸しなど、加熱してカサを減らすのがポイント。具だくさんのみそ汁やスープにするのも良いでしょう。

また、野菜にはビタミンCだけではなく、ビタミンA(βカロテン)やビタミンEなど脂溶性のビタミンを含むものもあり、それらは油脂と一緒に摂ると吸収率が上がります。油で炒めたり、サラダにオイルをかけたりすると良いでしょう。コンディション調整には、野菜からのビタミンやミネラル摂取が大切になります。

写真は「アーモンド入りきんぴらごぼう」です。ニンジンはβカロテンを多く含む緑黄色野菜で、ゴボウは食物繊維を多く含んでいます。

きんぴらごぼうはゴボウとニンジンのみを使っていますが、ビタミンE・B2・葉酸やカルシウム・マグネシウム・亜鉛などのミネラルも含むアーモンドを加えて栄養価を高めました。絹さやのトッピングは彩りだけではなく、野菜摂取量も増やすことにつながります。

管理栄養士・石村智子