ボートレーサーと減量は切っても切り離せない。規定の最低体重は男子が52キロ、女子は47キロ。これ以上、体重が重くてもレースに出走できるが、重くなればなるほど、ボートのスピードの乗りが悪くなる。

女子レーサーの倉持莉々(28)も食事の量は少なめだ。「自宅にいる時は(ご飯やパンなどの)炭水化物は食べないです。朝はオートミール。昼は食べなくて、夜はお酒とそれに合う食事を取ることが多いです」。オートミールとは、オーツ麦を脱穀して、調理しやすく加工したもの。余分な甘味や油分を含まない分、カロリーが低く、ダイエットに効果的だ。

チキンアドボ(フィリピン料理)を手作りする倉持莉々
チキンアドボ(フィリピン料理)を手作りする倉持莉々

レース場にいる時も基本は変わらない。朝はバナナとゼリー。昼は食べず、夜はサラダ、納豆、みそ汁。「だいたい、1週間、同じメニューを食べています」。体を動かすために、必要最低限のエネルギーを蓄え、戦場に打って出る。

体重管理と緊張感から解放されるのは、レースの最終日。もう、欲求は我慢しない。「お肉か韓国料理と決めています!」。特に自宅近くの韓国料理屋のユッケジャンスープがお気に入り。辛いものに目がなく、ビールも欠かせない。「次の日は絶対、むくみます。そこまでがワンセット(笑い)」。レースがない日はホットヨガ、ピラティスで体を動かし、汗をかく。筋トレにもなるし、むくみも取れる!?

倉持莉々が大好きなユッケジャンスープ
倉持莉々が大好きなユッケジャンスープ

弟のお弁当作りも手を抜かない。自らは揚げ物を口にする機会が少ないが、春巻きと唐揚げは得意料理。そして、デビューから約7年。念願の初優勝も手の届くところまで来ている。「優勝したら家族とひたすらビールを飲みたい。みんな外食が結構好きなので、すごく祝ってくれると思います」。食事量を制限しながら、家族の応援を背に、今日も水面へ飛び出す。

◆倉持莉々(くらもち・りり)1993年(平5)10月1日、茨城県生まれ。高校時代に水球女子日本代表に選出された。やまと学校(現ボートレーサー養成所)の114期生として、14年5月平和島でデビュー。15年9月住之江で初勝利。17年11月三国で初優出。ファン投票で出場が決まるGⅡレディースオールスターに第1回から5大会連続で出場中。167センチ、51キロ。血液型O。