将来の横綱、大関候補と期待を集めるホープは、体づくりとも日々向き合っている。22歳の豊昇龍(立浪)は、1月の初場所では自己最多の11勝を挙げるなど飛躍を遂げた。叔父は元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏。モンゴルの中学を卒業後に来日して、66キロの体重を地道に増やし、幕内に定着した現在は140キロまで大きくした。

大相撲初場所5日目、翔猿(右)を攻める豊昇龍(撮影・鈴木正人)
大相撲初場所5日目、翔猿(右)を攻める豊昇龍(撮影・鈴木正人)

「いつものご飯にもう1杯。これ意識してます!」。体重を増やすコツを問われると、明るい口調で答えた。夜のちゃんこを食べ終えた後、必ずお茶漬け1杯を食べるようにしているという。「(19年九州場所で)関取に上がってからずっと続けてます。(銘柄は)永谷園っすよ!」。

部屋でちゃんこを食べる豊昇龍(本人提供)
部屋でちゃんこを食べる豊昇龍(本人提供)

モンゴルの中学校卒業を機に来日し、柏日体高(在学中の16年4月に「日体大柏高」に校名変更)入学時はレスリング部に所属していた。入部直後の5月に大相撲を生観戦し、横綱日馬富士らの相撲を見て感激。相撲部に転部した。

当時の体重は66キロほど。「最初の頃は(食べ過ぎで)毎日吐いてました」。初めて経験する異国の環境、茶わん3杯がノルマの夕食。「強くなりたいから、頑張って食べました」。苦しい“食トレ”に耐えて、卒業までに100キロ近くまで体重を増やすことができた。

17年九州場所が初土俵で、プロ入り5年目に突入した。初場所の活躍もあり、春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)は新三役昇進の可能性もある。「今年の初場所はやり切ったと思っている。もっと体を大きくして、いい相撲取っていきたいです」。筋肉質な体を、より太くしていく。【佐藤礼征】