今月6日、72年にアントニオ猪木氏が設立した新日本プロレスは50周年を迎えた。伝統のある団体を低迷期から支え、45歳になった今も「エース」として随一の人気を誇るのが、プロレスラーの棚橋弘至。鍛え上げられた肉体、まぶしい笑顔、何度でも立ち上がる姿勢―。自他ともに認める「疲れない男」を支えていたのは、規則的な食事だった。
新日本プロレスのエース、棚橋の目標は「200歳まで生きる」ことだ。「実年齢は22歳。無意識下のうちに細胞を若返らせている。年齢に支配されない男になる」と、笑顔で語る。
根性論だけではない。目標のため、何よりも大切にするのが食生活。本来はラーメンもジャンクフードも、お菓子も大好き。それでも、プロレスのために我慢する。
体づくりのために欠かさないのが、タンパク質。朝はおかゆとサラダチキン、昼夕はサラダとタンパク質が豊富に含まれる食材を自ら選ぶ。「いつもコンビニなどに行くと、売っている商品を裏返します。成分表をみて何グラムの含有か気にしながら生きていますね」。
3食の食事のほかにも、2~3時間おきにタンパク質の摂取を欠かさず、1日合計300グラムを確保する。ハムや鶏ささみ、卵を使った料理は鉄板。納豆やキムチも愛用する。そんな規則的な食生活を365日。デビューから20年以上繰り返すことで、疲れない体と肉体美を維持してきた。
モチベーションアップのために欠かせないのが、丁寧な目標の設定。「数カ月先の小さな目標と、こうなりたい自分という大きな目標を設定することが大切です」。また、ほぼ毎日ブログやSNSを更新する。「鉄の意志飯」として、摂った食事の写真を掲載し、ファンに「監視」してもらうのも棚橋流だ。
ただ、健康の維持にストレスは大敵。年に数回、「チートデイ」と名付けた好きなものを好きなだけ食べると決めた日を設け、自分へのご褒美にしている。メリハリをつけた生活を。団体トップのベルト、IWGP世界ヘビー級王座戴冠、そして夢の100歳レスラーへ、棚橋の食トレは今日も続く。【勝部晃多】