<コンビニ活用術/下>
日本全国すぐそこにあり、誰もが気軽に立ち寄れるコンビニエンスストア。東京オリンピック(五輪)で来日した海外メディア関係者の関心も呼んだ日本の文化の1つだが、こと栄養にまじめに取り組む人たちにはネガティブにとらわれやすい。
そんな人たちに向けて、日本オリンピック委員会(JOC)と共同で2003年から選手強化を支援している味の素ビクトリープロジェクト(VP)がアスリートにも勧めている“コンビニ活用術”を紹介する。
コンビニゾーンで見る足りない食事
❶ご飯(主食)は多いが、おかず(主菜・副菜)が少ない場合
・足りない栄養素=タンパク質、ビタミン・ミネラル
■おつまみゾーン
例)チーズかまぼこ
■缶詰ゾーン
例)サンマの蒲焼き
■ホットスナックゾーン
例)フランクフルト
■惣菜ゾーン
例)味付ゆで卵
■デザートゾーン
例)ヨーグルト
■パックドリンクゾーン
例)牛乳)
❷丼ものがメインで、副菜が少ない場合
・足りない栄養素=ビタミン・ミネラル
■サラダゾーン
例)コーンサラダ
■パック惣菜ゾーン
例)ひじきの煮物、きんぴらごぼう
■デザートゾーン
例)カットフルーツ
■パックドリンクゾーン
例)オレンジジュース、野菜ジュース
❸揚げ物が多く、副菜が少ない場合
・足りない栄養素=ビタミン・ミネラル
・多すぎる栄養素=脂質
❷と同じ
ただし、脂質が多いので、揚げ物の衣を外して食べるべし。
ダメと決めつけず有効活用する道を
以前のバドミントン代表がそうだったように、足りない食事を「簡単におなかを満たせるもので摂る」だけではいけない。でも、フィギュアスケートの羽生結弦がそうだったように、正しいだけではのどを通らない。大切なことは、何が食事に足りないかを考えること。そして足りないモノを、いかに手軽に、おいしく摂れるか。これに尽きる。
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「これは使ってはいけない、ダメだと決めつける必要はありません。『ゼロか100か』になっている人ほどコンビニを有効活用してみてはどうでしょう。一気に100点を目指すのではなく無理せず、今よりほんの少し変えて行けばいいんです」
コンビニランチで意識する5つの輪
理想の食事はある。でも、いきなり頂上(100点満点)を求め、かつそれを続けていくことは難しい。栄養計算を毎回するなんて“プロ”と呼ばれる人たちでも大変だという。まずは現在の食事に10点ずつでも加えていくことを目標にすればいい。
バドミントンの奥原希望は朝食で、サバ缶のお茶漬けを愛用している。 缶詰1つでも十分変わる。
海外の人たちの関心に負けず劣らず、アスリートや栄養に関わる人だって、コンビニをもっと気軽に利用してみてはどうだろうか。【今村健人】