<甘味料の話・3>

「甘味料」の分類については前回の「甘味料の話・2」でお伝えしましたが、今回は低エネルギー甘味料の「オリゴ糖」や「糖アルコール」に注目していきます。どちらも「糖質系」で、オリゴ糖にはガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖など、糖アルコールにはソルビトール、還元水飴、キシリトール、エリスリトールなどがあります。

市販されているもの、市販商品に含まれているものは化学的に作られていますが、オリゴ糖や糖アルコールは元々、野菜や果物など天然に存在する糖質です。消化されにくい、またはされないため、エネルギーになりにくく、結果として低エネルギー甘味料と言われています。

糖アルコールとは

還元水飴
糖アルコールの一種である還元水飴は1960年代から使用され始め、代表的なものにマルチトールやソルビトールがあります。砂糖よりも甘味度が低いものの、甘さにクセがないため長期間、使用されてきました。消化されにくいことで大量に摂取すると便が緩くなったり下痢になったりし、カロリーはゼロではありません。

キシリトール
キシリトールは砂糖と同じ甘味度です。口腔内で酸を作らず虫歯菌であるミュータンス菌の働きを弱めるため、ガムによく使用されています。

エリスリトール
エリスリトールは30年ほど前から使用されるようになりました。甘味度は砂糖の約75%で、小腸でほとんど吸収されますが、代謝されずそのまま尿に排泄されます。そのためゼロカロリーで下痢になりにくい甘味料として使用されるようになりました。

このように、糖アルコールは長年利用されており、安全であることも証明されていますが、おなかが緩くなる可能性があるため、やはり大量摂取は避けたいところです。

希少糖とは

最近、ドラックストアなどで販売されている「希少糖(レアシュガー)」は、その名の通り希少な糖として自然界に約50種類存在します。代表的なものに、プシコース、ソルボース、タガトース、アロースなどがあります。以前は大量生産が難しいとされていましたが、最近では希少糖含有シロップなどが市販されるようになりました。

砂糖と比較して低エネルギーではないものの、低GI(グリセミック・インデックス)で食後の血糖上昇が緩やかなため、糖尿病の改善や予防、脂肪の蓄積抑制、活性酸素の産生を抑え動脈硬化の予防、抗がん作用などが期待されています。

甘味料はどう使ったら良いのか

甘味料には様々な種類がありますが、何を選び、どう使うのがいいのでしょうか。

奈良時代には、砂糖は貴重な薬として扱われていた歴史があります。砂糖は全くの悪者ではなく、効果・効能もあります。また、由来や特徴が様々な多くの種類がありますが、「いくら摂取しても安心という甘味料はない」というのが私の見解です。

飲み物は水分摂取を目的とし、できるだけ甘くないものを摂取する習慣をつけること、甘い菓子やアイスクリームなどは、砂糖、果糖、人工甘味料を使ったものでも味わって、食べ過ぎないことが大切です。

エネルギー源として大切な糖質はご飯やパン、おかずなどから摂取できます。つまり、糖類は必須栄養素ではありません。アルコール同様、嗜好品としてお楽しみください。

管理栄養士・今井久美