更年期になって初めて骨密度を測り、骨密度が低くて骨粗鬆(しょう)症予備軍と診断されて心配になってしまう人も少なくありません。「骨粗鬆症」と聞くと、高齢者がなる病気だと思う方も多いかもしれませんが、実は若い女性であっても、栄養不足、月経不順、運動不足などによって骨密度が低下し、骨折してしまう可能性もあります。

骨密度を上げ、維持する活動を「骨活」といいます。

前回のコラムでお伝えした通り、2024年4月から始まる健康日本21(第三次)では、「骨粗鬆症検診受診率の向上」が新たな目標として追加されました。骨粗鬆症財団によると、骨粗鬆症検診の受診率は全国で5.3%と低く、現状は多くの人が自分の骨密度を知りません。1度測定しても、継続して測定する人も少ないですね。

骨密度は20歳頃をピークに低下

骨密度は20歳頃をピークに低下します。運動不足は骨粗鬆症の原因になりますが、運動量の多いアスリートも、エネルギー不足により月経異常や骨密度低下を引き起こすことは「アスレシピ」でも取り挙げています。

骨密度はどこで測定できるの?

腰や背中が曲がる、身長が縮む、腰が痛いなどの症状が出る場合がありますが、骨粗鬆症になったとしてもほとんどが無症状です。骨折を機に、症状が判明することもあります。

「骨密度はどこで測定できるの?」という疑問をお持ちの方もいると思いますが、主に整形外科や婦人科で測定できます。「家族に骨折が多い」「閉経後で心配」など、骨粗鬆症の疑いがあれば、健康保険が適用されますし、会社の健診や人間ドックの項目に含まれていることもあります。

医療機関や測定方法にもよりますが、自費で受ける場合は4000~5000円程度の費用がかかります。ただし、40歳以上の女性を対象に、自治体が行っている検診を無料で受けられる場合もありますし、医療系や体育系大学の学園祭や、薬局主催の健康イベントなどでも無料で測定できる場合があるので、チェックしてみてください。

どのくらいの頻度で測定したらいいの?

どのくらいの頻度で測定すべきかというと、骨粗鬆症と診断された場合は、半年に1回、閉経後は1年に1回が目安です。骨粗鬆症ではない場合も数年に1回は受けて、自分の体の中を知っておくことは大事です。無料で受けられる女性対象の検診は5年に1回程度になります。

骨粗鬆症は女性だけ?男性もなるの?

骨粗鬆症は女性特有のものではなく、男性でもリスクはあります。自分の骨密度を知るためにも骨密度測定検査をすることをお奨めします。

骨粗鬆症は予防が重要なので、骨活と骨密度検査の受診から始めましょう。食事に関しては「骨強化のレシピ」を参考にしてください。

骨粗鬆症の対策については、過去記事を参考にしてください。

管理栄養士・今井久美