競泳は、短距離はもちろん、長距離でもラストのスピードが勝敗を分けます。身体の瞬発力に対する反応を高め、スピードを切り替えることが必要です。

 身体を動かす神経伝達に必要な栄養素、カルシウムの一般推定平均必要量は15~29歳の男性で650mg/日、女性で550mg/日です(日本人の食事摂取基準2015年版)。

 しかし実際は、一般15~19歳男性の1日摂取量は536mg、女性447mg(平成26年度国民健康・栄養調査)で、一般推定平均必要量にも及びません。アスリートは、発汗での損失や疲労による吸収力の低下などがあるので、さらに意識してカルシウム量の多い食品を取り入れる必要があります。

厚揚げなど大豆製品はカルシウム豊富

肉巻き厚揚げ生姜焼き風
肉巻き厚揚げ生姜焼き風

 今回ご紹介する 「肉巻き厚揚げ生姜焼き風」はボリュームがありますが、脂質の摂取量を抑え、スピードアップに必要な栄養素がたっぷり入ったメニューです。

 厚揚げは今回の1人分の分量でカルシウムを190mg摂取できます。この値は一般的にご家庭にあるグラス(240ml程度)に、牛乳を7分目ほど入れた値と同じになります。乳製品の苦手な方は、厚揚げをはじめとした大豆製品に目を向けてみるのはいかがでしょうか?

 またカルシウムは、タンパク質と一緒に摂取すると身体に吸収しやすく、厚揚げと豚肉からしっかりとタンパク質を取ることで効率よく摂取できます。瞬発力に必要な筋肉を作るタンパク質はこのメニューだけで、体重60キロの競泳選手の1日のタンパク質摂取量の約1/4を取れるものとなっています。サプリメントを過剰摂取するのではなく、食事から十分取ることで、強い競泳選手を目指すことができます。