今日は競泳の試合当日の食事についてお話しします。

 チームスポーツと競泳の試合で大きく異なるものは、スケジュールです。例えばウオーミングアップ。チームスポーツは全員が同じ時間に集まり、ウオーミングアップをして試合にのぞみますが、競泳はクラブや部活単位ではなく、個人が出場するレース時間に合わせて行います。そのため、個人スケジュールを自分で組み、栄養戦略を立てる必要があります。

個人競技は自身で栄養戦略

 今回は、お昼前にレースがあると仮定して考えてみます。レース前の食事は朝食と、ウオーミングアップ後に軽食かサプリメントを摂取することが多いでしょう。しかし、朝食をあまり食べずにウオーミングアップすると、そこでエネルギーを使ってしまい、軽食をとったとしてもレースではエネルギー不足になります。つまり朝食が栄養戦略のカギになります。

卵と豚もも肉の二色丼
卵と豚もも肉の二色丼

 今回ご紹介するのは「卵と豚もも肉の二色丼」です。忙しい朝でもすぐに調理できるように、また丼物にすることでエネルギー源となるご飯の量を多く食べることができます。ご飯をエネルギーにするビタミンB1は、豚肉と卵でWサポートします。豚肉については薄切り肉を使うことで、また卵も加熱状態によって消化時間が異なることを考慮し、調理しています。

試合前は生卵は食べないで

 最後に試合当日(前日)の食事の注意点を1つ。生卵を使った料理(卵かけごはんや納豆など)に注意しましょう。食中毒を起こすサルモネラ菌が生卵に存在する可能性があるからです。

 サルモネラ菌の発育温度は10度以上、特に20度以上になると活発に増えます。食中毒症状は食後4~48時間後に発症することが多く、レース時間に発症する可能性もあります。サルモネラ菌は十分な加熱で死滅しますので、卵は必ず加熱して食べるようにしましょう。