私が講師を務める小学生食育講座では、「おうちで食事の準備と後片付けを積極的にやろう!」と必ず話します。食への興味、食への感謝は、準備されたものを食べるだけでは身につきません。この当たり前のことを当たり前に行うことが、アスリートとしての成長につながります。

以前、ご飯だけは自分で盛るというシステムの宿舎で、合宿を行ったジュニアチームの話です。「お母さんがやってくれるからできない」と、ずっと座っていた小学校高学年がいました。

コーチに叱られても「なぜ叱られているのか、分からない」と言っていました。給食の配膳はしているわけで、できるのにやらない。ご家庭でお手伝いをする習慣、自分で動くことがないからでしょう。

炊飯器のスイッチ入れることから

子どもは毎日、「新しいこと」をどんどん吸収します。電化製品の使い方はすぐ覚えますし、小学生になれば、レンジや炊飯器のスイッチは入れられます。

今回は、お子さんに補食を作るお手伝いをしてもらおうということで、「油不用!混ぜるだけ!炊飯器で米粉マーラーカオ」を紹介します。

マーラーカオは中華風の蒸しパンで、米粉を使うことで混ぜるときにダマになりません。ドライフルーツやナッツはそれだけでもエネルギーやビタミン補給ができますが、今回は、混ぜ込んで練習前後のどちらでも使える補食としました。

材料を混ぜたら炊飯器に入れて設定し、スイッチオン。低学年のお子さんは、ご家族が種を作り「炊飯器に入れる、スイッチを押す」だけでもいいでしょう。体を大きくしたいお子さんは、一緒に牛乳などの乳製品があるとよいですね。

炊飯器から作りたての香りがしてきたら、「自分で作ったこと」も相まって食欲が出ます。ぜひお子さんとチャレンジしてください。

管理栄養士・松田幸子