かつお節は、かつおだしに使ったり、冷奴にかけたり、お好み焼きにかけたり、さまざまな使い方がある万能な食材のひとつです。かつお節の栄養、選び方、おすすめの食べ方を今回は紹介していきます。

うま味成分イノシン酸

 実はかつお節は、発酵食品のひとつでもあります。この発酵により、かつおだしのうま味でよく聞く「イノシン酸」が生まれます。

 発酵に関わるのは、一般にカビ類、細菌類、酵母類の3種類の微生物からなりますが、かつお節は、カビ類による発酵食品です。カビの作用で脂肪分が少なくなり、香りから魚臭さがなくなり、うま味成分が多くなります。これらの「カビ付け」をするかつお節を「本枯節(かれふし)」といいます。

 それとは別に、このようなカビ付けをせずに、かつおをいぶしただけで作るかつお節もあります。一般的に花かつおと呼ばれている「荒節」のかつお節です。

花かつおはカビ付けせず

 荒節は、発酵過程がないために、かつお自体の栄養はもちろん変わりませんが、残念ながら発酵食品の良さは取り入れることができません。味・風味は、魚の味がダイレクトに感じられるものになっています。

 アミノ酸がたっぷりで、かつお節のうま味、発酵の力を取り入れるためには、ぜひ「本枯節」のかつお節を活用することをオススメします。「荒節」に比べて手間がかかっているため、値段も少し高くなりますが、うま味成分が多く、料理の味にグッと深みを出すにはやはり「本枯節」を使うと良いでしょう。

高タンパク食品、ケガ予防にも

 かつお節は、タンパク質が70~80%を占める高タンパク質食品です。アミノ酸を豊富に含み、体内で合成できず食品から必ず摂取しなければならない必須アミノ酸(筋肉に重要なBCAAも含む)をすべて含みます。アスリートに意識してとってもらいたい「タウリン」も豊富です。

 EPA、DHAといったオメガ3系脂肪酸を多く含み、ケガや病気の予防にも欠かせない成分です。また、筋肉の維持や働き、免疫力に大切な働きをするビタミンDを多く含みます。アスリートにとって、毎日欠かせない栄養素が詰まっているので、意識してとる事をオススメします。

何にでもちょい足し、かつお節ベースの手作り栄養ふりかけ
何にでもちょい足し、かつお節ベースの手作り栄養ふりかけ

 とはいえ、毎日かつおだしを摂るのは大変な時もあります。そんな時には、この「手作り栄養ふりかけ」を常備しておいて、どこにでもちょい足ししてあげると良いでしょう。

 ご飯や豆腐にかける使い方が基本ですが、うま味成分も豊富なため、ちょっと味が足りないという時の煮物や炒め物にも使えます。まとめて作って、常に食卓においておくと良いでしょう。

 レシピに記載してある分量にこだわらず、入れるものや量はお好みで結構です。きな粉、ヒジキ、ナッツ類などや塩は味をみて調整し、甘味(ここでは黒糖)は入れなくても良いですが、少し入れると食べやすくなります。

 乾燥野菜パウダーなどを加えてもいいでしょう。ミネラル、食物繊維がこれでもかというほど入った栄養ふりかけ。天然のサプリメント的存在として、お試しください。