糖質(炭水化物)・脂質・タンパク質の3大栄養素をエネルギーに変えるには、ビタミンB群の働きが重要です。簡単に言うと、糖質はビタミンB1、脂質はビタミンB2、タンパク質はビタミンB6によって代謝が促進されます。今回はその中のビタミンB2について、お伝えします。
油ものを食べた時はビタミンB2
脂質は、細胞内のミトコンドリアでβ酸化という反応を経て、エネルギーに変換されます。この時の酵素反応の補酵素として、ビタミンB2が使われます。β酸化の後、エネルギーに変わるまでの間でもビタミンB2は必要です。
このように、基本的にビタミンB2は脂質の代謝に不可欠なので、脂質の多い食事をした時はより多く必要になります。焼き肉や揚げ物、乳製品たっぷりの洋食、中華料理を食べたという時は、一緒にビタミンB2を多くとりたいものです。
レバー、サバ、納豆、マイタケ…
ビタミンB2を多く含む食品として、レバー、鶏ハツ、ウナギ、サバ、納豆、マイタケ、わらび、モロヘイヤ、卵、カマンベールチーズ、アーモンド、ノリ、かつお節、タラコ、ワカメなどが挙げられます。肉や魚、大豆製品、乳製品、キノコ・海藻類、ナッツなど幅広いですね。
普段の食事で意識していくこと、補食でチーズやアーモンド、ノリを食べる、タラコやおかかのおにぎりにするといったことも良いと思います。特に脂質が多い外食の前後には意識して摂れると良いですね。
過剰な活性酸素の除去にも一役
またビタミンB2はアスリートにとって、重要な役割も果たしています。
激しい運動をするアスリートは、体内でたくさんの活性酸素を生み出しています。過剰な活性酸素は体内の脂質を酸化させ、過酸化脂質を作り出すので、これが筋肉で起こると、「筋肉が損傷している」という状態になります。
過酸化脂質の除去には、グルタチオンペルオキシターゼという抗酸化酵素が必要になります。この酵素のリサイクルにも、ビタミンB2は重要な働きをしています。つまり、ビタミンB2は抗酸化物質として、筋肉などの組織を酸化的損傷から保護もしているのです。
ウルトラマラソンの選手に対するこんな結果報告があります。100mgのビタミンB2をレース開始直前と90kmに到達したときに与えた群は、プラセボ群に比べてレース中とレース直後の筋肉痛が軽減し、レース3日後と5日後の400m走でも優位に早かった、というものです。
このようなことから、運動前・中にビタミンB2を摂取することで筋肉痛を軽減させ、運動後の早期回復を高めることができるかもしれません。ただし、運動前や最中に、高摂取量を食品から摂ることは難しいので、効果を期待するためにはサプリメント摂取が必須になると思いますが、参考にしてみて下さい。
今回紹介するレシピは「トロトロしっとり塩レバー」です。低温調理で蓋をして20分間放置しておくだけで、くさみのないレバー料理になります。冷やしてもしっとりやわらかでおいしいです。レバーが苦手な方にも試していただきたいレシピです。鉄やビタミンB2が豊富なレバーのレパートリーに加えてみてください。