本格的な冬となり、アスリートは特に風邪などの感染症予防に力が入る時期ですね。風邪予防といえば、免疫力を上げること。今回は免疫力に大きな影響を及ぼす「腸の栄養」のお話をしていきたいと思います。
腸内細菌の栄養は食物繊維
免疫力を上げるためには、腸をきれいに、整えることが大切だということは、すでに理解されていると思います。腸を整えるために必要な腸内細菌の栄養は、食物繊維です。野菜や海藻、キノコ、豆類、穀類などに含まれる食物繊維を豊富に摂ると、腸にいる腸内細菌が元気になります。
便を排泄するのにも役に立ち、デトックス効果もあります。しかし、外食が多かったり、家でも冷凍食品やインスタント中心の食事が増えたりすると食物繊維の摂取量が減ってしまうので、注意しましょう。
腸の栄養はアミノ酸や短鎖脂肪酸
一方で、腸の栄養は腸内細菌の栄養とは異なり、アミノ酸や脂肪酸を栄養源としています。小腸の栄養はグルタミンというアミノ酸で、大腸の栄養は腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸です
グルタミンは、筋肉のリカバリーをしてくれる栄養源としても知られていますが、体内で作り出すことができるので、まずは色々なタンパク質をしっかり摂って、体内に吸収させていきましょう。
大腸の栄養である短鎖脂肪酸はいくつか種類がありますが、中でも酪酸(らくさん)という成分が重要です。酪酸は腸内にいる酪酸菌が作り出すので、酪酸菌を増やすか、酪酸菌にエサ(栄養)を与えると、酪酸を増やすことができます。
酪酸菌のエサとなるのは食物繊維やレジスタントスターチです。詳しくは過去のコラム「レジスタントスターチを上手に使って腸内環境を整える」を参照してください。
煮たり焼いたり汁物で野菜を摂取
まとめると、腸を元気にするには、そこに棲んでいる腸内細菌を元気にすることが必要で、そのためにはやはり食物繊維が大切なことが分かります。毎食、食物繊維の多い野菜を積極的にとりたいところですが、疲れている日は、野菜の繊維が食べにくく感じることもあると思います。
今回紹介するレシピは、疲れている日でも食べやすい「春雨とモヤシの煮込みあんかけ」です。野菜を温めることでかさを減らし、あんをかけて食べやすくしました。ひき肉も入っているので食べ応えもあります。遅めの夕飯にもオススメです。
「野菜をとろう」と言うと、サラダを思い浮かべる方が多いようですが、生野菜を食べなければいけないわけではありません。鍋や豚汁などの具だくさんの汁物なら、野菜や海藻、キノコをたっぷりととれると思います。
腸を元気にすることで免疫力アップも期待できます。この冬は野菜をたっぷりとって、健康に過ごしていきましょう。