アスリートにとって欠かせない補食。今回は改めて、何のために補食を取り入れるのか、復習していきたいと思います。

補食は文字通り「食」を「補う」ことで、通常の3食以外の時間帯に、何かを食べたり飲んだりすることです。アスリートは、トレーニング前後に栄養を入れることで、その質を高めることができます。

分けて摂る方が消化吸収の効率が良い

消化吸収の面からも、1度の食事で一気に栄養を摂るよりも、「食事+補食」で分けて摂った方が効率良いというメリットもあります。特にトレーニング前後は消化吸収に負担をかけたくないので、こまめに分けて摂り、パフォーマンスアップにつなげたいところです。

筋肉や肝臓に蓄えられる糖質量が少ない

特に分けて摂った方がいい栄養素に、糖質とタンパク質があります。まずは糖質について説明します。

筋肉を使うときは、筋肉に蓄えられたグリコーゲン(糖の貯金)を、体を動かすためのエネルギーを維持するときは肝臓のグリコーゲンが使われます。年齢が低ければ低いほど、筋肉も肝臓も発達途中でグリコーゲンを蓄える量が少ないので、こまめに糖質補給をしたいのです。また、強度な筋肉トレーニングをするときも筋グリコーゲンを使うため、糖質補給のための補食が必須です。

タンパク質に関しては、より体内の消化吸収効率を上げるために補食を取り入れると考えるといいでしょう。中でも、トレーニング後の数十時間は持続して筋肉の回復効率が上がるので、その時間にタンパク質を1度に吸収できる範囲で、こまめに摂取するといいのです(時間に関しては様々な見解があります。)

1度に摂取するタンパク質の量は

それなら、1度に摂取するタンパク質は何gが良いのか、とよく聞かれますが、人それぞれ幅があるので、一概には言えません。年齢や体格、普段の食事でのビタミン、ミネラルのバランスなども影響してきます。最初は1日のタンパク質必要量を体重あたり1.2~1.75gあたりで考えて、何をどれくらい食べればいいのかを計算していくと良いでしょう。

最初は計算をしてみて、慣れてしまえば感覚で分かってくるようになると思います。

数字よりも大切なのは体感です。体は重くないか、動きやすさはどうか、頭は冴えているか、疲れはどうかなど、毎日、自分の体調を見極めていきましょう。

今回紹介するレシピは、タンパク質を適度に摂取できるヘルシー補食「生おからココアケーキ」です。トレーニング後やオフの日の補食に使えます。おからをたっぷり使っているので少量で腹持ちし、減量期にもおすすめです。

管理栄養士・園部裕美