牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品にはカルシウムが多く含まれています。カルシウムの働きには次のようなものがあります。

骨や歯の材料
神経を安定させる
筋肉の収縮に不可欠
体内の浸透圧を一定に保つ
心筋の機能を正常に保つ
ホルモンや神経伝達物質の分泌反応の引き金

カルシウムはアスリートにとって欠かせないミネラルの1つですが、上記の働きを効率良く行うためには、体内でのバランスが非常に重要な栄養素でもあります。つまり、マグネシウムを一緒に摂ることが大切なのです。

カルシウムとマグネシウムは2:1、または1:1の割合で摂取するのが理想ですが、実は乳製品はこれらのバランスが非常に悪いのです。

乳製品のカルシウム、マグネシウムの量と割合
牛乳    110、10 (11:1)
ヨーグルト 120、12 (10:1)
チーズ   630、19 (31:1)
※食品は100g、カルシウムとマグネシウムはmg

このように乳製品に含まれているカルシウムとマグネシウムの量は圧倒的にカルシウムが多く、また、現代の食生活と環境から見ても、圧倒的にマグネシウムが不足しやすい状況にあります。

例えば、ヨーグルトを食べる、カフェラテを飲む、乳入りのお菓子を食べるなど、カルシウムを多く含む乳製品は手軽に摂ることができます。一方で、マグネシウムを多く含む食材は海藻や魚介類、大豆製品などで調理して食べるものがほとんど(加工品に含まれていることが少ない)なので、意識しないとどうしても不足します。

そこで、自宅で乳製品を摂るときは、マグネシウムが豊富な食材を組み合わせるようにすると良いでしょう。具体的には、次のようなものがあります。

牛乳にココアを入れる
ヨーグルトにきな粉やナッツを添える
チーズ+海苔
チーズオムレツにアオサやゴマ、干しエビを入れる
シチューにパセリを散らす

ちょっと意識するだけで、カルシウムとマグネシウムのミネラルバランスが劇的に変わります。乳製品を摂るときは、「+マグネシウム」の意識を持つと良いでしょう。

今回紹介するレシピは、「+マグネシウム」を意識した「アオサとゴマ入りチーズオムレツ」です。カルシウム(175mg)とマグネシウム(63mg)のバランスで、ご飯にもパンにも合う朝食にぴったりのメニュー。毎日の朝食のレパートリーに加えて欲しい一品です。

これに厚揚げなどの豆腐加工品、ナッツ類などを加えるとマグネシウムの量もさらにアップします。アレンジを楽しみながら、「+マグネシウム」を意識していきましょう。

管理栄養士・園部裕美