イタリアでは、デザートやお菓子のことを「ドルチェ」と呼びます。この言葉には「甘さ」という意味もあり、まさに「ドルチェ」は甘いものの総称です。

 欧米の料理はアジアと異なり、調理にほとんど砂糖を使いません。食後にデザートを食べる文化は、料理に甘さをつけないことから食後に甘いものを欲したという説や、昔は砂糖が貴重品であったため、甘いものを客人にふるまうのが富の証であったという説などがあります。

 北から南まで長いイタリアでは、昔からその地域で生まれたドルチェがあり、今でも、全国的に親しまれているものよりも、地方特有のものが多く見られます。

地域特有のドルチェがたくさん

 さて、イタリアのデザートといえば、有名なのが「ティラミス」。日本でもティラミスブーム以降、イタリアンデザートに注目が集まり、定番となりました。その後、人気となったのは「パンナコッタ」。イタリア語で「パンナ=生クリーム」「コッタ=煮た」という意味を持つように、生クリームに砂糖を加えて煮た(温めた)ものを固めて作ります。

 パンナコッタとよく混同されるものに、「ビアンコマンジャーレ」があります。直訳すると「白い食べもの」(フランスでは「ブランマンジェ」と呼ばれています)。確かに、ともに見た目は真っ白なプリン状なので、本当によく似ています。

 しかし、ビアンコマンジャーレは地方によって微妙にレシピが異なります。北部では乳製品、南部ではアーモンドミルク(アーモンドから絞ったミルク)を使用して作っています。固めるものもゼラチンだったり、amidoと言われるデンプンだったりと、さまざまなのも面白いところ。共通点は、真っ白でプルプルしたものであるところです。

 記述によると、このドルチェがヨーロッパでメジャーになったのは中世。この当時は「純白なる食べ物」には聖なるイメージがあり、宗教的にとても人気があったようです。イタリアでも、四旬節(キリストが復活する前の期間)に白い食べ物を食べると身を清めるというイメージに重なり、広まっていったようです。

牛乳・豆乳+フルーツを補食で

豆乳のビアンコマンジャーレ
豆乳のビアンコマンジャーレ

 今回は、タンパク源となる牛乳と豆乳を使ったオリジナルドルチェ「豆乳のビアンコマンジャーレ」を紹介します。

 豆乳は、大豆に水分を吸わせてからすりつぶし、濾してつくった液体(またはそれを煮たもの)。大豆は優れた植物性タンパクを含んでいますが、消化しにくいので、豆乳(または豆腐)に加工されたものを摂取するのがよいでしょう。

 牛乳は、動物性タンパクとともにカルシウムが豊富。豆乳も牛乳も比較的脂肪分が少ないため、補食・間食に取り入れるにはもってこいの食材です。ビタミン補給のために、ビタミンC豊富なキウイやオレンジをプラスしましょう。なお、オレンジの香り成分には、リラックスを促進する作用もありますので、疲労回復にも効果はてきめんです。上手に取り入れて栄養補給をしましょう。