春になるとスーパーでよく見かける「新タマネギ」。タマネギは通常、表の皮を乾燥させて保存性を高めていますが、収穫期の春は、早取りしたものを乾燥させずに流通させます。これが新タマネギです。
獲れたてですから、通常のタマネギに比べると水分が多くて柔らかい。水分が多い分、タマネギ独特の辛みを感じにくく、生でも食べやすいのが特長で、品種や鮮度にもよりますが、中にはフルーツ並みの糖度を持ったものもあります。
気になる栄養価ですが、通常のタマネギとあまり変わらない、といわれています。タマネギには、炭水化物をエネルギー化するのに必要不可欠な栄養素、ビタミンB1が含まれています。主食に合わせた汁物にすれば、同時に摂取することができます。
新タマネギの甘さは、蒸し煮、蒸し焼きにするとぐっと高まります。この甘みは水分に溶け込みますので、スープとしていただくと、だしになります。水溶性のビタミンも蒸し煮にして、流出した分も一緒に食べてしまいましょう。
今回は、イタリア風かき玉スープ「卵入り新タマネギのスープ」を紹介します。本来は卵とチーズ、パン粉を混ぜたものを温かいスープに流し込んで作る「ストラッチャテッラ」という名前の家庭料理です。固まったそぼろ状の卵がポロポロして見えることから、イタリア語で「ボロボロにする=ストラッチャーレ」という意味の言葉から、この名前が付きました。
新タマネギのだしをたっぷり使い、タマネギごと一緒にいただくことで、春らしい一品になります。チーズを入れるので、ポロポロのそぼろ状にもしやすくなりますし、うま味がプラスされます。パンやご飯、パスタなどの主菜のお供にぜひ添えてみてください。