人間の体は、気温や環境の変化に敏感なもの。基礎代謝量は、アスリートでなくても四季の気温の変化に応じ、変わっていきます。

 気温の高い夏は体温の低下が生じにくいため、代謝が下がります。これに対して、気温が低い冬は、外気の影響で体温が下がりがちになるため、体温を維持するために代謝が上がります。気温が下がり始める秋から人間の体は代謝を上げ始め、冬に向かって準備を始めます。

 食べ物には、代謝を促進する働きをもつものがたくさんあります。唐辛子、コショウなどの香辛料や、ショウガ、ネギ、ニンニクなどの香味野菜類など、体を温める効果のある食材は、同時に代謝促進を手助けしてくれます。

脂肪燃焼食材も積極的に

 また、必須アミノ酸が豊富な魚類(特にマグロやカツオなど)、肉類(豚肉、レバーなど)、乳製品(チーズなど)や大豆製品も、脂肪を燃焼してエネルギーに変える力があるため、代謝アップにつながります。糖質や脂質の代謝に必須なビタミンB群を含む食材も、代謝を良くするのに欠かせませんが、これらの食品にはビタミンB群もバランス良く含まれていますので、日々の食事に上手に取り込むのが理想です。

豚肉のピリ辛パスタ
豚肉のピリ辛パスタ

 今回紹介するのは、代謝アップが望める食材を使った「豚肉のピリ辛パスタ」です。豚肉、唐辛子、タマネギ、ニンニクにトマトを使って簡単に作れる一品。仕上げに、フライパンでカリカリになるまでから炒りしたパン粉をふりかけると香ばしさが加わり、よりおいしくいただけます。

パスタの仕上げに「貧乏人のチーズ」

 南イタリアでは昔から、この炒ったパン粉を「貧乏人のチーズ」と呼んでいて、パスタの仕上げにふりかけていました。かつて、貧しくてチーズも買うことができなかった農民たちが、古くなってカチカチになったパンを細かくしてから炒りし、チーズの代わりにパスタやスープにかけて食べていたと言われています。

 チーズとはまた違ったクセになるおいしさで、固くなったパンも余すところなく使いこなす、先人の知恵が作り出した素敵な贈り物とも言えます。乾燥パン粉を使って、ぜひお試しください。