私たちにとって手軽な主食・パン。パスタの国イタリアでも毎食パスタを食べているわけではなく、さまざまなものを食べているというお話は、過去にも何度か書いてきましたが、イタリア人にとっても主食はパンです。
イタリア人に欠かせない主食
食卓に着くとパンが出されるのは、家庭でもレストランでも一緒。敬虔(けいけん)なカトリック教徒であるイタリア人にとって、パンはキリストの肉体と言われているので、食卓に欠かすことのできない食べ物なのです。
昔はパンの大きさも、1つ1キロ以上もあるような大型のものを焼いていたため、焼きたてのパンを食べることができたのは数日だけ。固くなってしまったパンはオーブンで焼き直したり、さまざまな料理に変化させたりして、残すことなく食べていました。
特に多かったのが、スープ料理に加えるという食べ方。カサカサに固くなってしまったパンは、よく水分を吸い込みます。そして、ふやけて柔らかく復活します。スープの水分も余すことなく吸い込んでくれるため、とても食べやすくなり、一石二鳥だったようです。
今回紹介するのは、そんなイタリアの伝統の味「ポーチドエッグ入りトマトとパンのスープ」です。
トマト缶を煮込んで少し甘みが増してきたら、食べやすい大きさに切ったパンを加えて水分をしみ込ませます。ここに卵を加え、タンパク質もプラスして食べるのが昔ながらの食べ方です。
ここでは、ポーチドエッグをのせていますが、温泉卵をのせても良し、卵をよく溶いて加えて煮込んでしまっても良しで、ボリューム感がアップします。
気温が下がり、練習後の寒い外出先から帰ってきたときや、朝の起き抜けの体温が上昇しきっていないときなど、これを食べるとホッとします。ぜひお試しください。