陸上競技とは、主に野外競技場のトラックやフィールド、あるいは道路で行う「走る・跳ぶ・投げる」の3基本技を中心とする競技の総称のことをいいます。競技によって体格や競技特性が異なるため、エネルギー消費量はまちまちで、食事量も食事の質も異なると言われています。

例えば、男子アスリートで1日のエネルギー消費量を比較すると、以下のようになります。

短距離選手(体重70kg) 3000~3500kcal
長距離選手(体重63kg) 3500~4000kcal

そこで今回は、陸上競技の中でも短距離、投てき、跳躍、混成選手などに必要な栄養について説明をします。

投てき、跳躍、混成選手も

これらの競技は、筋力(パワー)や瞬発力が要求されるスポーツです。特に、筋肉には強い負荷がかかります。そのため、強くしなやかな筋肉を作り、傷ついた筋肉を修復することが重要です。

瞬発力

短距離選手のスタートダッシュや投てきなど、瞬間的に大きな力を出したい場合には筋肉が必要です。この筋肉を作るための主な栄養素は、タンパク質です。

筋肉の収縮にはカルシウムも重要な働きをします。体内では、カルシウムとマグネシウムのバランスが大切。マグネシウムが不足すると、筋肉の動きが鈍るだけではなく、けいれんを起こす恐れもあります。

<ポイントとなる栄養素(食材)>
 タンパク質(肉、魚、大豆製品、乳製品)
 カルシウム(乳製品、大豆製品)
 マグネシウム(海藻類、種実類)

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パワー

瞬間的に強力なパワーを発揮するには、強靱な筋肉が大切です。強い筋肉を作るにはタンパク質が必要。タンパク質の一種であるコラーゲンは筋肉、骨、関節などにも含まれています。またビタミンDには、体内のカルシウム吸収を促して骨を増強するとともに、筋肉の合成を促す作用があります。

<ポイントとなる栄養素(食材)>
 コラーゲン(鶏肉、豚肉、カレイ、ゼラチン)
 ビタミンD(キノコ類、魚介類、卵など)

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体重や体脂肪率のコントロールも

最後に、短距離や跳躍の選手は、体重や体脂肪のコントロールも必要になってきます。投てきの選手は体形を見ると分かるように、筋骨隆々なイメージがありませんか? このような選手は、大きな筋肉が必要です。

レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)を重点的に行うときは、体重あたり0.25~0.30gのタンパク質を3~4時間おきにしっかりと摂取することがポイントとなります。

どれくらいの量の食事の中に、どれくらいのタンパク質が含まれているか、また、どのタイミングで食事や補食をとるか。選手自身が考えることは、カラダ作りのため、パフォーマンスを存分に発揮するために大切なことになります。

管理栄養士・新生暁子