熱中症を予防するためのポイントとして、前回のコラム「真夏のテニス、アスリートを熱中症から守る水分補給」では、塩分を含んだものを飲むようにお伝えしました。今回は体内の水分が失われるとどうなるか、ということをお話しします。

 まず、体内の水分が損失しているかどうか、一番わかりやすい方法は、試合前と試合後の体重の変化です。体重の減少が少ないことを目指しましょう。

 とは言っても、コート付近に体重計があればいいですが、ない場合はどうチェックしたらいいでしょうか。練習や試合の終了後30分以内にトイレに行けたら合格です。尿が出なければ水分不足であり、出たとしても尿の色が濃ければ、水分不足のサインです。あくまで目安ですが、確認してみてください。

 次に熱中症になると、どういう症状が起きるかを説明します。

  • 体内の水分の損失が1%を超えると、大量の汗をかき、喉が渇きます。
  • 2%損失すると、めまいや吐き気が起こり、ぼんやりしてきます。
    ここまで症状が進んだら試合を中断しましょう。周りの大人もすぐに止めてください。
  • 汗が出なくなり、4%の水分損失となると、全身脱力、動きが鈍い、皮膚紅潮、いらいら、疲労、吐き気、精神不安定などの症状が起き、テニスどころではなくなります。

 試合に向かう際は自分で必要な水分や食料を準備し、クーラーボックス等に入れてコートに持ち込むことができます。ゲーム間のチェンジコートの時にドリンクが飲めます。テニスは、他のスポーツと違ってこまめに水分補給ができるのは有難いですね。準備が不十分だと熱中症を引き起こすリスクが高くなりますので、しっかり備えましょう。

 選手は、試合に夢中になると体調の変化に気づかない場合が多いので、保護者や審判など周囲の大人が気をつけてあげることも大切です。

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