玄米はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれていて、ヘルシーな食品です。しかし、玄米などに含まれるフィチン酸塩は非ヘム鉄の吸収を阻害するため、貧血気味の方にはおすすめできません。このように、食品には色々な栄養素が含まれているため、目的によって良い面、そうでない面があります。

鉄は、血液中の赤血球をつくる栄養素。ヘモグロビンの成分となります。コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるタンニンも非ヘム鉄の吸収を阻害する成分なので、食事の際、一緒に飲むのを避けるといいですね。

一方で、レバーなどの肉類はヘム鉄を多く含むほか、一緒にとることで非ヘム鉄の吸収率を高めます。また、ビタミンCも非ヘム鉄の吸収率をアップさせるので、ホウレン草や切り干し大根などの非ヘム鉄を含む食品は、ビタミンCを多く含む野菜や、肉や魚などの動物性タンパク質と一緒に調理しましょう。

和風ソースで食べる牛もものカットステーキ
和風ソースで食べる牛もものカットステーキ

今回は「和風ソースで食べる牛もも肉のカットステーキ」を紹介します。

ブロッコリーやミニトマトはビタミンCが豊富。牛もも肉は値段が高めですが、特別な日のメニューとしていかがでしょうか。

牛肉の部位別鉄の含有率(100gあたり)

もも(2.7、209、19.5、13.3、0.4)
ひれ(2.4、195、20.8、11.2、0.5)
サーロイン(2.1 177、21.1、9.1、0.6)
ばら(1.4、426、12.8、39.4、0.3)
※( )内は左から鉄(mg)エネルギー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)

ヘム鉄を多く含む「和風ソースで食べる牛もものカットステーキ」
ヘム鉄を多く含む「和風ソースで食べる牛もものカットステーキ」

貧血予防には、鉄だけでなく、タンパク質、ビタミンB12と葉酸などの栄養素も必要です。

ビタミンB12はアサリ、カキなどの貝類、レバーなどの肉類、サンマなどの魚類、卵、牛乳、焼き海苔に、葉酸はブロッコリー、ホウレン草などの緑黄色野菜や、レバー、納豆、焼き海苔、抹茶などに多く含まれます。

これらの食品を意識して組み合わせて摂りましょう。

管理栄養士・山口美佐