「野菜を食べてくれない」。保護者からこのような相談をよく受けますが、野菜嫌いの選手もいます。

 トマト、ピーマン、セロリは、特に嫌いな選手が多く、嫌いだとその食材に含まれる栄養素が不足しがちになります。スポーツをすると体に害となる活性酸素が発生しますが、野菜にはそれを除去するビタミンが豊富です。特に、トマトやニンジンなどの緑黄色野菜に含まれます。

 これまで紹介してきた体づくりや成長のために必要なタンパク質(肉・魚・卵・豆・乳)をとる場合、これらの野菜を意識して、一緒に摂取すると効果的です。野菜は、低エネルギーでミネラルも豊富なので、良いコンディションを維持するためにも欠かせません。 一般人は1日350グラムの野菜をとることが理想ですが、選手はもっと必要です。「350グラムだけでも大変…」と思いがちですが、意外にも玉ネギやキャベツなどのかさの重いものをとれば、難しくありません。炒めたりすることでかさが減り、食べやすくなります。緑黄色野菜に多く含まれるビタミンAは、油と一緒にとることで吸収が高まります。

トマトのナムル風
トマトのナムル風

 今回紹介するレシピは「トマトのナムル風」です。トマトは、抗酸化作用のビタミンAやクエン酸を含むので選手には、ぜひ食べてもらいたいです。ゴマ油を使うことで、さらに吸収は高まり、ニンニクを加えると夏場のスタミナアップにつながります。一晩冷蔵庫におくことで味がしみて食べやすくもなります。【管理栄養士・川端理香】

(日刊スポーツ紙面より)