夏休みに入り、大きな大会や試合に参加されることがあると思います。試合の3日くらい前から前日までの食事は、炭水化物のエネルギー比率を多めにし、「エネルギーを溜め込む」ことをテーマにします。「バランスの良い食事の基本の形」は崩さず、主食の割合を増やし、脂質を控えめにし、ビタミン源となる副菜や果物はしっかり摂るようにします。

 ポイントは、試合前の練習量や質の低下に伴い、エネルギー調整をすることです。単純に炭水化物を増やすと、エネルギー過多になり、体重や体脂肪率が上がり、パフォーマンスが落ちることも考えられます。

 炭水化物だけでなく、脂質とタンパク質もエネルギーとなるので、脂質を控え、全体のエネルギー摂取量を調整します。主食だけでは炭水化物の割合を増やせない時は、カボチャやニンジンなどの野菜、ジャガイモやサトイモなどのイモ類など炭水化物を多く含む材料を使用した副菜などで補います。

脂質控え、ビタミン摂取

 脂質は、調理法や食材の選び方で控えることができます。煮物、蒸し物を活用し、揚げ物など給油率の高い調理法を避け、炒め物の場合は、テフロン加工のフライパンの利用で使用する油の量を減らすことができます。また、肉類や魚介類は脂身の少ない部位を選びます。

 さらに、炭水化物をエネルギーに換える働きのビタミンB1も摂りましょう。ビタミンB1は、豚肉、木綿豆腐、サケ、ブロッコリーなどに多く含まれています。

 試合前日に避けるべきものとしては、揚げ物、刺身などの生もの。胃腸の弱い選手はサツマイモ、豆類、海藻類など食物繊維の多いものも避けると良いでしょう。

豚肉とカラフル野菜の温玉丼
豚肉とカラフル野菜の温玉丼

 写真は「豚肉とカラフル野菜の温玉丼」です。丼物はしっかりご飯が食べられ、豚肉はビタミンB1を多く含み、ニンニクや小ネギはビタミンB1の吸収率をアップします。

 野菜は、抗酸化作用のあるビタミンを多く含んでいるパプリカ、疲労回復効果があるといわれているアスパラギン酸を含むアスパラガスを使用しました。献立例として、みそ汁、ナスとミョウガの梅肉(クエン酸を含む)和え、果物としました。写真には入っていませんが、牛乳やヨーグルトも添えると良いでしょう。