野菜、果物、海藻類などのほか、動物性食品にも多く含まれるビタミンやミネラルは、エネルギー代謝や体構成成分として利用されます。例えば、炭水化物はエネルギー源ですが、体内でエネルギーに換える働きのビタミンB1を摂らないと効率良くエネルギーを作り出すことができない、といったようにです。

旬は含有量も数倍高く

 ビタミンやミネラルの多い野菜や果物を選ぶポイントは、旬のもの。はずれ期のものより栄養価が高く、味も良く、安価なのでオススメです。ホウレン草のビタミンCの含有量は、旬とそうでないものでは約3倍も異なります。また、鮮度が落ちると壊れやすいビタミンもあるので、新鮮なものを購入し、なるべく早く使い切りましょう。

 動物性食品には、ビタミンB1が豚肉、ビタミンAがレバー、鉄は赤身の肉や魚、カルシウムは乳製品などに多く含まれます。ただし、食品はさまざまな栄養素から構成されています。1つの栄養素にとらわれて、そればかり食べていると他の栄養素を摂り過ぎてしまうこともあるので、色々な食品から栄養素を摂りましょう。

 多くの種類のビタミンやミネラルを摂るには、野菜の種類を増やすことです。彩りが良くなり、食欲を刺激します。1日の野菜の摂取目標量350gを目指し、毎日の食事にたっぷり取り入れましょう。

 写真は「野菜たっぷり豚しゃぶサラダ」。1品で1日の野菜摂取目標量の3分の1以上が摂れるおかずサラダです。

ブロッコリー=ビタミンC、B6、E、葉酸、カロテンなど。
アスパラガス=ビタミンK、葉酸など。
ミニトマト=ビタミンC、カロテン。
サニーレタス=ビタミンC、E、カロテン、鉄、カルシウムなど。
ベビーリーフ=ビタミンC、カロテン、鉄など。
アボカド=ビタミンE、B6、葉酸、マグネシウムなど。
クルミ=ビタミンB6、マグネシウムなど。
パプリカ=ビタミンCやカロテンなど。
豚肉=ビタミンB1とタンパク質など。
ワカメ=ビタミンA、K、葉酸、カルシウム、マグネシウムなど

 このようにたくさんの種類の食品を摂ることで、さまざまな栄養素を摂ることができます。 

 サニーレタスやベビーリーフ、ミニトマトは包丁いらず。チーズやナッツ類も常備しておけば、使用する食品の品数を増やすことができます。ぜひ毎日の食事作りに応用してください。

【管理栄養士・石村智子】