<栄養素を無駄なく摂る食べ方:豆類編>

ひよこ豆は西アジア原産と言われるマメ科の種子で、鳥のくちばしのような突起があります。7000年以上前から栽培されていたようです。日本では気候が合わないためほとんど栽培されていませんが、エスニック料理がブームになった頃から徐々に広まってきました。ホクホクとした食感が栗に似ていることから「栗豆」とも呼ばれています。

インドでは挽き割りにしてスープに、粉末にして揚げ衣やお菓子の生地にとさまざまに利用されています。若い豆は枝豆のようにも食べられるそうです。

ハリとツヤがあり、大きさが揃っているものを選びましょう。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ひよこ豆の主成分は炭水化物で、タンパク質、ビタミンB群やビタミンE、多種のミネラル、食物繊維などが多く含まれています。豆類に共通のイソフラボンも含まれます。

歯ごたえがあるので、よく噛むことによって満足感が得られます。炭水化物はでんぷんが主で、血糖値の上昇がゆるやかなため体脂肪になりにくい特徴があります。

貧血の予防や改善に役立つ葉酸は豆類の中で群を抜いており、鉄はクロマグロの赤身よりも若干多く含まれています。食物繊維はインゲン豆に次いで多く、亜鉛は皮膚の健康維持に役立つことから、美肌効果も期待できます。審美系競技の選手には特におすすめです。

乾燥豆は一晩水につけてから、やわらかくなるまでゆでます。ゆでる前と後では、重量が2.2倍になります。ゆで汁には水溶性の成分や豆の風味が溶け出ているので、スープや煮込み料理に利用するとよいでしょう。加熱調理済のすぐに食べられるものも多く出回っています。

ひよこ豆にあまり含まれていないビタミンAやCを組み合わせて摂ると、抗酸化力がアップします。サラダなどにトッピングするほか、煮崩れしにくいのでカレーやシチュー、トマト煮などの煮込み料理にも向きます。

期待される健康効果は、疲労回復、美肌効果、貧血予防、生活習慣病予防、ガン予防、骨粗鬆症予防、腸内環境改善、免疫力向上などです。

保存するなら
乾燥豆は密封して冷暗所で保存します。

ゆでた豆は、数日以内に使う場合はゆで汁ごと冷蔵保存します。冷凍する場合は、サラダなどに使うものは煮汁をきり、スープや煮込みに使うものはゆで汁ごと保存袋に入れます。1カ月程度で使いましょう。

【管理栄養士・高木小雪】