<栄養素を無駄なく摂る食べ方:ハーブ編>

ローリエは地中海沿岸原産と言われるクスノキ科の常緑樹の葉です。「ローリエ」はフランス語で、英語では「ローレル」や「ベイリーフ」、日本語では「月桂樹」と言います。

古代ヨーロッパでは万能薬と考えられ、ローマ時代には病人の出た家の戸口にローリエの枝を下げたり、見習いの医師が頭に飾ったりする習慣があったそうです。

日本へは明治時代にフランスから入って来ました。成長が早く10mほどにもなり、目隠しの目的で庭に植えられているものも見かけます。

ほとんどはドライのものが流通していますが、フレッシュの場合は、若葉は管理しにくいので成長した葉を利用します。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ローリエは香気成分を料理に移して利用します。ローリエの香気成分には抗酸化、抗炎症、消化促進、血行促進、防腐、防虫などの効果があります。洋風の煮込み料理に使われるブーケガルニ(ハーブや香味野菜を束にしたもの)には欠かせないハーブで、肉や魚の臭みを消し、味わいを深める効果があります。

ヨーロッパでは魚介の酢漬けやピクルス、ソースなど、保存を目的とした料理に入れる習慣があります。高温多湿の日本でも、料理に活用したいですね。

フレッシュの葉を煮込むとアクが強く出ます。ドライにすると青臭さが消え、香りを強く感じるため、料理にはドライの方がおすすめです。細かく刻むと香りや苦味が強くなります。葉を折りたたむ、加熱時間を短くするなど、好みで調整しましょう。葉は食べる前に取り出します。

生薬名は「月桂葉(げっけいよう)」と言い、健胃や蜂刺され、リウマチ、神経痛、生理痛などに用いられます。

期待される健康効果は、消化促進、血行促進、美肌、風邪予防、ガン予防、生活習慣病予防、アンチエイジング、メンタル安定などです。

保存するなら
未開封のものは冷暗所で保存します。湿気に弱いので、開封後は乾燥剤を入れて密閉します。自家製のものは乾燥が不十分な場合もあるので、冷蔵または冷凍が無難です。

【管理栄養士・高木小雪】