アスリートの食事は「3食+補食」が基本の考え方です。朝、昼、晩と3食いずれも大切な役割がありますが、中でも朝食は「忙しい」「おなかが空いていない」などの理由で内容がおろそかになっていませんか?

おにぎりだけ、トーストだけといった単品の食事では、成長期のアスリートのカラダ作りをすることはできません。朝食も「基本の食事の形」に整えたいものです。

生活を振り返り、朝食内容を改善

朝食をバランス良く摂れない理由は色々あると思いますが、それぞれの生活を振り返ってみてください。前夜までさかのぼって考えてみましょう。

(1)おなかが空いていない
前日の夜遅い時間帯に食事をしていたり、消化の悪い揚げ物などを食べたりしていませんか。

(2)食べる時間がない
寝る時間が遅く、出かける時間ギリギリにならないと起きられないということはありませんか。

ただ長年、朝食をおろそかにしている人は、急に完璧な状態を目指してもカラダが受け付けてくれないことがあります。そのようなときは、おにぎりに豆腐や卵を落としたみそ汁をつける、トーストに卵とハムをのせるなど、少量から始めたり、一品ずつ増やしたりして、少しずつ「基本の食事の形」に整えていきましょう。

朝からしっかりタンパク質を摂る

特に、成長期のアスリートにとってタンパク質は、カラダ作りのために朝からしっかり摂ってほしい栄養素です。体温を上げて代謝量を増やしますし、筋肉を大きくして増量する時、また減量中の時もタンパク質を朝から十分に摂ることが大切です。

写真は、「朝食にぴったり!具だくさんオムレツ」です。タンパク質をしっかり摂れるよう卵のほか、ハムやチーズを使用しています。

野菜もコツコツ増やす工夫を

摂りにくい野菜は緑黄色野菜を加えますが、切る時間がない場合は、ミックスベジタブル、ブロッコリー、ホウレン草などの冷凍野菜をストックしておき、電子レンジで加熱したものを具として加えても良いでしょう。付け合わせもベビーリーフやミニトマトなど、切らずに使える野菜が便利です。

ケチャップにトマトを加えてソースにすると、野菜の摂取量を増やすことができます。このようにちょっとした工夫で野菜を摂る量を増やす積み重ねが大切です。

管理栄養士・石村智子