アスリートにおなじみの果物と言えば、「バナナ」です。日本バナナ輸入組合によると、この物価上昇の時期においても日本人が最も食べている果物がバナナだといいます。

先日、8月7日は「バナナの日」。その日本バナナ輸入組合が「暑い夏を、栄養豊富なバナナを食べて元気に乗り切ってもらいたい」という思いを込めて「8(バ)」「7(ナナ)」の語呂を合わせて制定したといいます。

伝説の名勝負 松岡修造vsサンプラス

スポーツ栄養学が広く知られていなかった時代でも、アスリートはバナナを食べていました。のちに「伝説の名勝負」と言われるようになった1995年のウインブルドン、松岡修造選手とピート・サンプラス選手が戦った準決勝で、松岡選手は試合の合間にバッグからバナナを取り出して食べていました。今、そのタイミングで食べることの是非はさておき、約30年前でもアスリートとバナナはなじみが深かったということです。

持ち運びしやすいことが大きかったでしょうし、もちろんエネルギー源にもなり、即効性も持続性にも優れた食品であることは間違いありません。そのまま食べるだけでなく、デザートにしたり、ミキサーで飲み物と合わせたりもできます。変わったところではバナナの天ぷらなどもありますね。

今のところ、店頭に並ぶのは輸入バナナが圧倒的ですが、最近は「国産バナナ」も出てきました。中には皮ごと食べられる、というものもあります。今後も猛暑が続くことを考えると、国産バナナは生産が拡大する可能性もあるかもしれませんね。

今回はそんなバナナを使った「バナナ&ピーナッツの黒糖ロールサンド」を紹介します。市販の黒糖ロールパンにバナナとピーナッツペースト、そこにカッテージチーズを入れてタンパク質を少し多めにとれるようにしています。

小食に悩むジュニアアスリートは、このようにロールパンに食材を挟み込んでコンパクトにすることで、食べやすくもなります。ただし、練習から帰ってきて夕飯までのつなぎで食べるときは、食べ過ぎて夕飯が食べられなくなったということがないように、挟む量を調節しましょう。

猛暑の夏でもしっかり練習を重ねるためにはエネルギーが必要です。補食や間食にエンプティ(空っぽ)なスナック菓子よりも「バナナ&ピーナッツの黒糖ロールサンド」のように食べ応えと質を考慮したものを食べ、暑い夏を元気に乗り切っていきましょう。

管理栄養士・月野和美砂