今年は例年より早くインフルエンザが大流行し、さらに溶連菌やアデノウイルス(咽頭結膜熱)が子どもを中心に流行中です。これからの時期はノロウイルスやロタウイルスによる感染性胃腸炎も心配となってきます。

深部体温低下で様々な健康障害に

免疫力が低下する原因の1つに「低体温」があげられます。「寒い」と自覚する「冷え性」は皮膚温が低いものですが、「低体温」とは深部体温が下がるものです。最近は、体温が36度以下で深部体温も低い子どもが増えていると言われています。

低体温になると内臓が冷えることで、身体機能がパワーダウンしてしまい、正常機能しにくくなります。免疫細胞は血液中の白血球の中にいて全身を巡っています。体温が下がり血行が悪くなると、体内に異物を発見しても素早く攻撃できなくなります。

その結果、消化不良や体力の低下、基礎代謝の低下、免疫力の低下、自律神経の乱れ、風邪や感染症にかかりやすい、アレルギー症状が出現しやすい、むくみやすいなど様々な健康障害を引き起こします。集中力も低下し、子どもであれば、勉強や運動にも影響が出ることでしょう。イライラするなど精神面にも影響があるとも言われています。

長期休みでも生活リズムを崩さない

私たちは自律神経系、ホルモン系、体性神経を介して体温を調節していますが、それらが崩れる理由は様々です。一般的には睡眠不足、運動不足、食生活をはじめとする生活習慣が乱れると体温保持が難しくなるので、長期休みでも生活リズムを崩さないようにしましょう。もし現在、リズムが崩れているなら長期休みの間に整えるようにしましょう。

朝食に温かい具だくさん汁物をプラス

体温を上げるために簡単にできる対応策は「朝食をしっかり食べる」ことです。食事は決まった時間に3食とることが大切ですが、特に体温の低い朝に温かいものを食べることは効果的です。まずは、普段の朝食にみそ汁やスープなどの温かい汁物をプラスしてみましょう。

その温かい汁物には、肉、魚、卵、大豆製品といったタンパク質源とビタミン豊富な野菜類を加え、「具だくさん」にするのがポイントです。カップや粉末のインスタントスープと一緒に、タンパク質源や野菜を摂る形でも良いでしょう。

食欲がない、時間がないといったときでも一口スープをすすれば胃腸が動き、思った以上に食べられるものです。ご飯を食べると私たちはエネルギーを生み出し、熱を発生させています(食事誘発性熱産生、以後DIT)。食事をすることで体温が上がり、中でもタンパク質をとると最も熱産生が高まります。

朝食を抜くと太る、ダイエットの逆効果

日本の学生約200人を対象にしたある研究によると、朝食を食べる習慣のあるグループが朝食を食べた朝と、朝食を食べない習慣のグループが食べない朝では体温が1度も違ったと報告しています。体温が1度上昇すると、基礎代謝量が13%上がると考えられているので、スポーツの競技力にも大きく影響します。

逆に朝食を食べないと肥満にもつながり、大人世代では高脂血症等の生活習慣病の発症を助長することにもなります。ダイエット目的で朝ご飯を抜いているなら、逆効果と言えます。

感染症にかからず、この冬を元気に乗り越えるためには、朝ご飯をしっかり食べて体温を上げることです。手洗いうがいなどの基本的な予防策とともに、毎日取り組んでみてください。

【アスレシピ編集部】