<トップアスリートの食事:大崎佑圭>
女子バスケットボールの強豪JX-ENEOSサンフラワーズの大黒柱で、日本代表の主力として2016年リオデジャネイロオリンピック(五輪)でも活躍した大崎佑圭さん(28)は、同年末に一般男性と結婚し、今年5月末に妊娠を発表しました。今季は出産にそなえて選手登録をせず、休養しています。トップアスリートが感じる結婚や妊娠、女性アスリートを取り巻く問題について、3回に分けてお届けします。【聞き手・青木美帆】
-体調はいかがですか
大崎 とても元気です! 妊娠初期は朝ご飯を食べないとちょっとムカムカしたり、立ちくらみになったりすることもありましたが、つわりはほとんどありませんでした。
-妊娠が分かったときのことを教えてください
大崎 「人生とんとん拍子か!」という感じですかね。結婚してからは次の道に進みたい…子どもを授かりたいという思いがどんどん強くなっていって、チームとも現役を続けるべきかどうかを何度も話し合い、大きな葛藤の中で過ごしてきました。そんなとき分かった妊娠だったので、「この子が自分の人生を導いてくれたんだ」という気持ちでいっぱいになりました。
5年ほど前に卵巣の腫れが見つかって、半年に1度、経過観察してきたので、妊娠できるのか不安は強かったです。競技でずっと体を酷使してきたこともあり、簡単には授かれないと思っていたので、本当に奇跡だなと思いました。
-現在はどう過ごしていますか
大崎 時々、会社が主催するバスケットボールクリニックのお手伝いをしていますが、基本的には自宅でのんびり過ごしています。日本代表チームの活動が終わったら、同じポジションの後輩ジュナ(梅沢カディシャ樹奈)を指導するために、練習にも顔を出したいと思っています。
食事の内容・量は大きく変化
-妊娠中、食の嗜好が変わる人もいます
大崎 実はそれをすごく楽しみにしていたんですけど、全くなくて…。「ファストフードのポテトが食べたくて仕方がなくなる」という妊婦さんが多いと聞いていたので、私もそうなるかもと食べに行ったんですけど、変わりませんでした(笑)。
-妊娠前後で食事の内容や量には変化は?
大崎 これはガラッと変わりました。選手のときは昼食と夕食の2食を寮でとっていて、食べる時間帯が決まっていて、量もかなり多かったですから。
-寮の夕食はご飯240g、主菜が2品(肉、魚)
大崎 そうですね。私は元々食が細くて、オフの日には主食を一切食べなくても平気なタイプで、好きなものを好きなだけ食べていました。なので、当初はチームを離れ、自分でうまく食事を管理できるか不安でした。
-現在はどのような心がけをしていますか
大崎 まずは主食を意識的にとらなきゃと思って、ご飯をしっかり食べるようになりました。また、家の前が大家さんの畑で、新鮮な有機野菜をいつも分けてくれるので、それを食べきるように心掛けています。しょっちゅう栄養指導を受けていたおかげであまり意識せず、バランスのいい食事がとれるようになっていました。
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