低用量ピルで月経が楽に

-妊娠前、婦人科系の問題で悩まれたことは

大崎 月経時に腰痛と腹痛があって、痛み止めの薬を飲んでいましたが、5年ほど前から低用量ピルを服用したら随分楽になりました。

FIBA女子アジアカップ2017で優勝し、トロフィーを手に笑顔を見せるバスケットボール女子日本代表の選手たち。前列左から水島沙紀、長岡萌映子、吉田亜沙美、藤岡麻菜美、宮沢夕貴、町田瑠唯、後列左から馬瓜エブリン、大崎さん、近藤楓、高田真希、赤穂さくら、河村美幸(2017年7月31日)
FIBA女子アジアカップ2017で優勝し、トロフィーを手に笑顔を見せるバスケットボール女子日本代表の選手たち。前列左から水島沙紀、長岡萌映子、吉田亜沙美、藤岡麻菜美、宮沢夕貴、町田瑠唯、後列左から馬瓜エブリン、大崎さん、近藤楓、高田真希、赤穂さくら、河村美幸(2017年7月31日)

-ピルを使うきっかけは

大崎 日本代表の活動時にJISS(国立スポーツ科学センター)で、女性アスリートのコンディショニングに関するセミナーを受講したことがきっかけです。ピル自体の存在は知っていましたが、月経を軽くする効果があるとは知りませんでした。海外では当たり前に使われているみたいですし、本当に楽になるので、女性アスリートはもっと取り入れていいと思います。

-トップレベルの選手はジュニア世代からこのような情報は入ってくるのか

大崎 私はJISSの講習会を受けるまで、ほとんど知りませんでした。聞いたところだと、この年代は「ピル=避妊薬」というイメージがすごく強いようです。また、学生だと制服姿で婦人科の病院に行くことに抵抗があるみたいですし、なかなか相談できず、対処できないということも耳にします。日本は医療先進国なのに、まずはそこでつまづくのか…という思いでした。アスリートに限らず、中高生年代から婦人科に関する知識をどんどん与えられたらいいのにと思っています。

リオデジャネイロ五輪バスケットボール女子 準々決勝日本対米国 相手のブロックをかわしてシュートを放つ大崎さん
リオデジャネイロ五輪バスケットボール女子 準々決勝日本対米国 相手のブロックをかわしてシュートを放つ大崎さん

-「月経が止まってラッキー」と思っている選手もいるようです

大崎 それ、とてもよく聞く話です! 確実に体に異常が起こっているということだから、ちょっと待て! って感じですけどね。アスリートとしての自分ももちろん大切だと思いますが、まずは1人の女性ということを頭に入れておくだけで、行動や考え方も変わっていくのではないでしょうか。自分を守るのは、あくまで自分ですから。

◆大崎佑圭(おおさき・ゆか) 1990年4月3日生まれ。東京都出身。東京成徳大中-東京成徳大高-JX-ENEOS。ポジションはセンター。コートネームは「メイ」。WリーグレギュラーシーズンMVP(12年)、プレーオフMVP(13年)。チームの主軸としてリーグ10連覇、皇后杯5連覇に貢献。日本代表として2016年リオデジャネイロオリンピックに出場。その年末に一般男性と結婚し、大崎に改姓(旧姓間宮)。身長183cm。