<トップアスリートの食事:大崎佑圭>

女子バスケットボールのJX-ENEOSサンフラワーズや日本代表の主力として活躍し、現在は妊娠・出産のため休養中の大崎佑圭さん(28)。中学時代からトップレベルで活躍してきたアスリートは、栄養面でどのような意識を持って成長してきたのでしょうか。【聞き手・青木美帆】

バスケットボール女子日本代表 当時チーム最年少20歳の大崎さん(2010年11月12日撮影)
バスケットボール女子日本代表 当時チーム最年少20歳の大崎さん(2010年11月12日撮影)

-中学・高校時代の食事エピソードを

大崎 小学生までは要注意ラインに入るギリギリというくらいやせていて食が細かったのですが、中学時代に一気に今の体の土台が出来上がりました。顧問の先生が「とにかくしっかり食べよう」というポリシーの方で、お弁当は大きな保存容器に7割がご飯。たくさん食べて、たくさんプロテインを飲むという生活でした。

特につらかったのは合宿です。先輩がおかわりしたら、後輩は暗黙の了解で続かなければいけないのが大変でしたね。1年生のときは精神的な緊張もあって便秘になってしまったので、本当に体の中に詰め込むような感じで(笑)。合宿終わりは電車で泣いていました。

中学時代はお昼が来るのが怖いくらいだったんですが、今振り返るとこのときにしっかり食べる習慣がついたことで、トップリーグに進んでもケガをしない丈夫な体が作られたんだと思います。高校では食事のルールはなくなりましたが、始発で朝練に行って午後10時ごろに帰宅する生活だったので、お弁当におにぎりなどの補食を加えて準備していました。

バスケットボール女子日本代表第1次強化合宿 20歳になる大崎さん(前列中央)をケーキで祝福する選手たち(2010年4月2日)
バスケットボール女子日本代表第1次強化合宿 20歳になる大崎さん(前列中央)をケーキで祝福する選手たち(2010年4月2日)

将来なりたい自分を思い描いて

-「食トレ」で苦戦している学生が多いようです

大崎 私も苦しい気持ちは痛いほどよく分かります。その中で、「将来、自分がどんな選手になりたいか」ということを思い描くのはいかがでしょうか。どんな体型で、どれくらいスタミナがあって…というようなことを想像すると、自分が食べるべき量やタイミングが明確になって、食べようという意欲がわいてくるかもしれません。食事は自分の体を作るもの。うまく工夫しながら付き合っていってほしいと思います。

次のページ小食だったが、食べることへの興味はあった