母の愛情あふれた豪華弁当/記者の目

選手たちが次々と広げるお弁当は「今日は遠足?」と見間違えるほど豪華だった。

落合蓮選手(3年=左)と金森主将。落合選手は入学時から33キロ増え113キロに
落合蓮選手(3年=左)と金森主将。落合選手は入学時から33キロ増え113キロに

聞くと、これが毎日なのだと言う。今までこの取材をする中で、体を大きくするには指導の目が行き届く寮でなければできないのではないか、と思っていた。しかし、お弁当を見ると、たくさんのご飯に合っただけのおかずが用意され、選手たちはおいしくご飯をおなかに入れていく。

一方で、寮の食事は限られたおかずで、食べるよう求められるご飯の量に合っていないことが多い。時には、ふりかけや納豆、卵など、選手それぞれが工夫をしていたが、全体のバランスから「自宅ご飯」により可能性を感じた。

そして何より、選手たちは朝早く起きて一生懸命お弁当を作る母の背中を見て育つ。金森主将は「外食よりも、お母さんのご飯がおいしい! そんなご飯を毎日作ってくれる母には感謝しています」と、笑顔で話してくれた。愛情たっぷりの「かあちゃんの味」が選手の心と体を強く育てている。

◆秋田県立秋田工業高校 1903年(明36)秋田県立工業学校として設置認可。1948年(昭23)現校名に。校訓は「質実剛健」。OBに落合博満。ラグビー部は1925年(大14)創部。全国高校ラグビー大会出場67回、優勝15回はいずれも最多。OBに元日本代表吉田義人ら。所在地は秋田県秋田市保戸野金砂町3の1。

「お母さんの愛情弁当」を持って全員集合。お昼ご飯はとても楽しみな時間だ
「お母さんの愛情弁当」を持って全員集合。お昼ご飯はとても楽しみな時間だ