調理師の母の料理で17キロ増
スタミナの根源は、体重増加を目指した自宅での食事にあった。10年以上前、「子供たちのために」と調理師の免許を取得した母祐三子さん(50)の力が大きい。
入学後、江口監督から「昂汰の体重をあと16キロ増やしてほしい」との注文を受けて本格的な食トレに着手。毎晩どんぶり茶碗2杯のご飯と、バランスのいいおかずを食べさせた。「メインのおかずとは別に、必ず鶏肉料理をサイドメニューに出していました」と祐三子さん。西舘の好物は、めんつゆで食べる「とり天」だ。
「夏にメンバーを外れて悔しかったのでしょう。『これだけは毎日絶対に食べる』と決めて取り組んでいました。おなかがいっぱいになってご飯が入らなくなると、一度横になって、お腹に余裕を作りながら必死に食べていましたよ」と親子で取り組んだ増量作戦を笑いながら振り返る。
「3本の矢」の一角
身長187センチで、入学時64キロ台だった息子の体重を81キロまで増やし、江口監督からのリクエストもクリア。この秋は背番号10をもらい、背番号1の右腕西雄大(2年)、背番号11の左腕菅井一輝(2年)と「3本の矢」の一角を担う。
「今年は投手が3人いるのが強み」と江口監督が自負する投手陣を支える西舘は、家族のサポートを力に変えて、今大会で大きく躍進した。
【樫本ゆき】