宮城農で、重量挙げ男子69キロ級の高校記録を樹立した佐藤康太郎選手はこの春、早稲田大のトップアスリート入試に合格し、スポーツ科学部に進学した。五輪出場の父を持ち、子どもの頃から愛情いっぱいの家庭料理で、強い体と世界を目指す心を培ってきた。

「寮生活になったので、家で食べていた鍋やお好み焼きが懐かしいですね。自分で料理をするのも好きだったんですよ」。4月に早稲田大学ウエートリフティング部に入部し、寮生活をスタートさせた康太郎選手は家庭の食卓を思い出し、ふるさとに思いをはせている。

和気あいあいとした食事風景。野菜中心のメニューが並ぶ。左から祖母村上節子さん、妹和花ちゃん、父和夫さん、佐藤本人、弟駿太郎くん、母明代さん
和気あいあいとした食事風景。野菜中心のメニューが並ぶ。左から祖母村上節子さん、妹和花ちゃん、父和夫さん、佐藤本人、弟駿太郎くん、母明代さん

父は元五輪選手、母は元柔道家

母校宮城農の監督を務める父和夫さん(48)は92年バルセロナ五輪の60キロ級重量挙げ選手。母明代さん(46)は元柔道家で、全国大会常連の東北高女子柔道部監督という血筋。弟駿太郎選手(宮城農2年)は70キロ級で活躍し、妹和花さん(小6)も器械体操で身体能力の高さを発揮している。家族全員がアスリートという佐藤家のリビングの壁は、輝かしい賞状でいっぱいだ。

康太郎選手は幼少期に水泳、体操、野球に打ち込み、中学2年から野球部と並行して重量挙げの大会に出場した。野球と重量挙げ。2つの競技を行いながら学業も優秀。丈夫な体作りのルーツは、祖母節子さん(75)も巻き込んだ家族全員参加の「家めし」にあったと言う。

韓国の調味料「ダシダ」を使った特製ナムル
韓国の調味料「ダシダ」を使った特製ナムル

「うちは夫婦ともに教員で、部活顧問。私は遠征や大会で家を空けることが多いので、手の込んだ料理を毎日作れるというわけではなかった。『料理、家事は手が空いた人、みんなでやろう』が合言葉の家でした。近くに住む母の力を借りて、なんとか子ども3人、元気に育てていったという感じです」と明代さん。母親に家事を背負わせないのが佐藤家のルール。毎朝のお弁当作りは和夫さんの担当だ。

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