<米ファストフード界の朝食(上)>
ファストフード大国アメリカで今、大手チェーン店が次々と新たな朝食メニューを発売するなど、「朝ご飯バトル」が過熱しています。なぜ今、朝食の強化戦略を次々と打ち出しているのか、大手各チェーン店の主力朝ご飯メニューはどんなものか、2回にわたって紹介します。
飲食業界全体において、売り上げが伸びているのは朝の時間帯。これを背景に、マクドナルドやバーガーキング、ダンキン(日本ではダンキンドーナツ)など大手チェーン店は、今年に入っていずれも朝食強化のため、新メニューや新システムを導入しました。
マクドナルドは、昨秋に約15年ぶりの新メニューを発表。今年に入ってからは朝食の定番、ドーナツを販売するダンキンに対抗するかのように、1ドル29セント(約145円)という低価格で6本セットのスティック状ドーナツを投入しました。
一方のダンキンも、主力のドーナツ以外にクロワッサンを使ったハムとチーズのサンドイッチなどを販売して対抗しています。また、多様なメニューで朝の売り上げが好調と言われるバーガーキングは、月額5ドル(約560円)で毎日コーヒーが飲めるサブスクリプション・サービス「BKカフェ」を立ち上げ、コーヒー好きを取り込んでいます。
また先月には、カジュアルカフェチェーン大手のパネラ・ブレッドも新たに3種類のラップ(トルティーヤで巻いたサンドイッチ)の販売を開始したほか、コーヒーのセルフサービス化やモバイルを通じて支払いができる新アプリを試験運用するなど、朝食バトルに参戦してきました。同社は「利便性と質の両方を求める顧客を取り込みたい」と語っており、業界全体で競争が激化しています。