ほどんどの選手が体重10キロ増
食育に本格的に力を入れ始めたのは沢田監督が銚子商監督に就任した17年から。それまで週に1回だった補食を、毎日の練習の合間にどんぶり1杯のご飯を食べさせ、体を大きくすることに力を入れてきた。「たくさん食べられる子は、能力的にも力を発揮できる子が多い。粘り強さがあるように感じます」。最大の目的は「空腹の時間をなくす」こと。平日は、ハードな練習の合間で補食としてどんぶり1杯のご飯。練習が終わると自宅でたっぷり夕食を食べる。6月の合宿では、保護者の力を借り練習が終わるとすぐに温かいご飯を食べられる環境を整えた。
今年からは「身長マイナス100」を目標体重に掲げ毎日、体重を管理。前日の体重よりも落とさないように、と具体的な数値が選手たちの目的意識を高めた。「この冬、ほとんどの選手の体重が約10キロ増えました。最近では、周りからガッシリしてきたね、と言われるようになりました」と沢田監督もその成果を実感。春の千葉県大会ではベスト4入りを果たし、Aシードを獲得した。
「昨年は、夏にかけて体重が減ったのが反省」と、今年は春先にトレーナーによる食事に関する講演を開き、今、自分が強くなるために何が必要なのかを理解させた。「ここからさらに体重管理をしていい状態で夏を迎えたい」と順調な仕上がりへ手応えを感じている。
沢田監督の目指す食育には、体だけでなく心の成長もある。「お母さん、マネジャー。周りの支えがあるから野球ができる。頑張らなければいけない、と感じられるようになって欲しい」。心と体を大きく成長させ迎える夏。目指すは14年ぶりの甲子園出場。そして「古豪銚子商」の復活だ。
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