頭肩バスタオル お守りに漢方薬

“野外フェス鑑賞の達人”の音楽制作会社勤務の村井悠さん(35)は、毎年年間約30本の野外フェスを鑑賞しているという。06年「ロック・イン・ジャパン」から、各地の野外フェスを楽しんでいる。「この10年だけでも温暖化が進んでいると肌で感じている」としみじみと話す。

年間20本以上の野外フェスを観賞する村井悠さん(撮影・近藤由美子)
年間20本以上の野外フェスを観賞する村井悠さん(撮影・近藤由美子)

暑さ対策グッズとして持参するのは、大きめのバスタオル、冷却グッズ「ヒヤロン」2~3個、冷凍させたペットボトル入りスポーツドリンク3~4本、漢方薬。鑑賞前には、日焼け止めもしっかり塗る。

フェス会場に、凍っている飲食物はあまりないという。飲み物は暑さですぐにぬるくなるため、凍らせたものを持って行くことがポイント。飲むだけでなく、体の冷却にも使用する。「凍らせたペットボトルで、首の後ろを冷やしたりしています」。保冷効果を高めるため、凍らせたスポーツドリンクを保冷ホルダーに入れ、さらに小型クーラーボックスに入れることも大事だという。

村井さんの暑さ対策グッズ。上から時計回りにクーラーボックス、漢方薬、冷却パック「ヒヤロン」、ペットボトル用保冷袋、大きめのタオル
村井さんの暑さ対策グッズ。上から時計回りにクーラーボックス、漢方薬、冷却パック「ヒヤロン」、ペットボトル用保冷袋、大きめのタオル

バスタオルも「必須」と力説する。熱を遮断するために、頭からかぶる。「日差しがかなりキツいので、頭だけでなく、肩も日を遮ることが大事です」。「ヒヤロン」は具合が悪くなりそうだと感じた時の緊急用。漢方薬は暑さで頭が痛くなりかけた際の「お守り」として持参する。

野外フェスは朝から夜まで行われている。日陰での休憩もポイントに挙げた。「基本的に日陰があります。無理して見ようと欲張らず、会場を楽しむくらいの気持ちを持った方がいい。1時間、頑張っても2~3時間ライブを楽しんだら、20~30分は日陰で休憩を取る。休憩を取らないと体力を消耗してしまいます」と休憩の大切さも強調した。

人工雪マシン1日5回

5日間で約30万人以上の動員を見込む大型野外フェスティバル「ロック・イン・ジャパン」(茨城県・国営ひたち海浜公園、8月3、4、10~12日)は、昨年から人工雪マシンを導入した。1日約5回雪を降らせ、今年は5日間で約25トンの氷を使用予定。担当者は「暑さを少しでも和らげること、そして楽しんでいただきたいと、夏に雪を降らせる意外性も含めて始めました」と説明。昨年は観客から「次は何時からなのか」と聞かれるなど、大好評だったという。

ほか、ミストシャワーを全7カ所、メッシュ生地などの日よけテントを3カ所設置する。波形のテントもある。担当者は「風にも強いので使い勝手も良い」とした。テントだけで約2000平方メートルの日陰を作る予定。

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