<高校女子サッカー選手の食事(3)>
高校女子サッカーのインターハイ女王・十文字(東京、関東第5代表)が、1月3日に開幕する全日本高校女子サッカー選手権(兵庫・ノエビアスタジアムほか)で3年ぶりの王座奪回と2冠を狙っている。
就任1年目、野田監督は元Jリーガー
今年就任した元Jリーガー、野田明弘監督(31)の下、初めて夏の頂点に駆け上った。同時に、全国の強豪校に備わるサッカー以外の強さも感じ、冬に勝つにはそこが課題の1つだとフィールド内外での強化に努めてきた。
「挨拶や応援の仕方など、素晴らしいチームがたくさんあり、勉強になりました。日常生活はサッカーにもつながります。うちは『文武両道』が伝統。普段の生活態度を見直し、全員で戦うための底上げをしてきました」(野田監督)。
年1回栄養講座、自主性に任せる
体作りで大切な食事面もその1つ。健康栄養学科のある十文字大と連携し、年に1回受講する栄養講座で学んだことをベースに、個々に任せている。トップ選手は食意識が高く、それぞれ学んだり、塩崎七穂トレーナーにアドバイスを求めたりしているという。キャプテンのMF三谷和華奈選手(3年)をはじめ、主力4人に話を聞いた。
三谷選手 「基本は1人1人、自分に合った食事のとり方をしています。アスリートにとって大切なのは、5大栄養素をバランス良く食べること。私は特に、炭水化物とタンパク質を意識しています」
インターハイ決勝で決勝点を導く絶妙なFKを放ったMF藤田美優選手(3年) 「タンパク質摂取のために、納豆などの大豆製品をよく食べるようにしています。昨年まではすねを疲労骨折などケガがあったのですが、食事を見直し、ストレッチなどのケアをするようになった今年は、故障が少なくなりました」
MF渡辺優選手(ゆい、3年) 「朝が苦手なんですが、朝ご飯は大事と聞いてから、サラサラ食べやすい納豆ご飯を食べるようにしています。時間がないときはおにぎりを持参して、練習後に食べています。足がつりやすくミネラル不足だと言われているので、そこも意識しています」
U-17日本女子代表のMF村田莉菜選手(2年) 「量としては、一般女子高生の2倍は食べるようにしています。乳製品や果物も食べています。代表の遠征ではビュッフェ形式の食事のため、とり方がバランス悪いとスタッフに指摘されます。また水分補給も意識的にしています」
どの選手も日頃実践していることを、はっきりした口調で説明してくれた。